『Animal Well』プレイレビュー 暗くて不気味な世界観に、パズルとメトロイドヴァニアの融合が光る傑作アクション

謎の量が多すぎて今なお多くのプレイヤーが奮闘中。 たった1人によって作られた傑作メトロイドヴァニア『Animal Well』を遊んでみました。

■これ全部、1人で解ける?

先ほどクリアするだけならそれほど難しくないと書きましたが、パズルの難易度はものによってはとてつもなく高く、長考や発想の転換を必要とするものもあります。

そういったケースは迂回が可能だったりそもそもクリアに必要はなかったりするのですが、人によっては大きく足止めされてしまうかもしれません。

Animal Well
たまにパズルが殺意マシマシで襲ってくることもあります。

私が本作をプレイする前の印象では、謎解きとアクションの割合は「9:1」くらいパズル寄りだと思っていたのですが、実際にはアクション性を要求される場面が多かったのは意外でした。

Animal Well

崖際からのギリジャンは頻繁に要求されますし、こちらには攻撃手段がないのでとにかく敵から攻撃を受けないように逃げ回るのが大変なのです。

特に多くのプレイヤーにとって難関となりそうのが、ギミックを発動させると「とある動物のゴースト」に追い掛け回されるパート。

Animal Well
ストアページでも紹介されている、恐らくみんなのトラウマになっていそうなシーン。

このゴーストは地形を貫通し、画面をまたいでもどこまでも執拗に追いかけてくるので、初見では本当に恐怖しかありません。ワープしても追われるのはトラウマものです…。

このギミックは仕組みさえ理解してしまえばじつは攻略自体は簡単なのですが、当然説明は一切なく、とにかく見た目が超怖いので人によって理不尽に感じるかもしれません。

Animal Well
暗い赤に染められたエリアは、まるでホラーゲームのよう。

個人的な感想ですが、本作の謎解きの難易度にはグラデーションのような何層ものレイヤーがあり、ストーリークリアに必要なものは「遊んでいて自然に気が付く」ようにできていると思いました。

反対に、完全な寄り道であったり、あるいはコレクションのような要素に関しては初見で気が付くのはかなり難しく、目の前のゲーム画面を隅々まで見るような「観察力」が必要でした。

Animal Well
何かのコレクション棚。ここには何度か戻ってくることになりそう…。

例えば本作では謎解きの補助としてマップにスタンプやメモを書き込める機能があるのですが、とある謎解きで実際にそれを使う場面があり、それに気づいた時には鳥肌が立ちました。

こんな風に「どこにも説明されていないことを頑張って発見する」ことが大好きなプレイヤーは、どこまでも深く探索する喜びがきっと味わえると思います。

もっとも、中にはコミュニティパズルのような一人では完結しない謎解き要素もあるので、全ての謎を独力で解くのは難しいかもしれません。

発売から少し時間が経った今もすべての謎は解かれておらず、本作のフォーラムでは多くのプレイヤーが積極的に情報を交換していますので、自信のある方は是非参加してみてくださいね。


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■深い印象が残る傑作

Animal Well

本作は総評としては骨太なアクションゲームであり、謎解きにかける製作者の情熱や、パズルの質・量に関しては間違いなくここ数年でトップレベルに入る作品だと思います。

また、プレイするほどに引き込まれていく世界観の描写も秀逸で、語り部が一切存在しないことが逆に想像をかきたて、謎解きと同じくらいにファンによる考察が盛り上がっています。

万人向けとは言い難いですが、メトロイドヴァニアの謎解き部分が大好きな人、あるいは考察しがいのあるストーリーや世界観が大好物な人には間違いなくオススメできる作品です。

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(文/Sirabee 編集部・幽霊坂ゆらぎ

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