元陸上自衛隊の女性芸人・ちっぴぃちゃんズ、ネタがリアルすぎる… 元自衛官から見たその面白さ

元自衛官のお笑い芸人・ちっぴぃちゃんズが、マニアックなのに面白い! 元自衛官の筆者がおすすめするネタは…。

2024/03/09 05:30

ちっぴぃちゃんズ

「自衛隊芸人」といえばやす子の活躍が目覚ましいが、元自衛官で吉本興業所属の女性芸人のちっぴぃちゃんズを知っているだろうか。自衛隊の戦闘服に身を包み、YouTube等でネタを公開している。

そのネタは「女性自衛官あるある お団子編」「陸上自衛隊あるある 水筒点検編」といったあるあるから、「120㎜対戦車榴弾こんな使い方は絶対ダメ」という日常ではありえないものまで幅広い。

そんな、いま自衛官たちの間で話題になっている彼女について、同じく元陸上自衛官の筆者がその全容を明らかにしていく。


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■元陸自の女性自衛官

ちっぴぃちゃんズは、かつて陸自の3等陸曹として普通科連隊に所属しており、退官した現在は有事の際に自衛官として活躍する「即応予備自衛官」でもある。

特徴的なのがネタの数々が非常にリアルなこと。前述の「陸上自衛隊あるある 水筒点検編」では、装備の水筒の水をうっかり飲んでしまった自衛官が、突然の点検に驚き、飲んだことをごまかそうとする様子が描かれている。

元自衛官の筆者から見ればあるあるで面白いのだが、一方で「リアルかつマニアック過ぎて、自衛隊関係者以外は理解できないのでは?」と心配してしまうほど。ただ、シチュエーションこそマニアックなものの、髪型の悩みや学校や会社のあるあるに置き換えると非常に見やすく、自衛官同士のやりとりや人間関係がわかりやすいので、一般の視聴者にも受け入れられているようだ。

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■キャリアを生かした面白さ

また、3曹まで務めたキャリアも彼女の強みだろう。彼女は京都府福知山駐屯地に所在する第7普通科連隊(以下、7連隊)に約10年間所属していた。その上、陸士といういわば「兵隊」から陸曹という「下士官」に昇任し3曹まで務めていたので、自衛隊の現場を知り尽くしたリアルさがある。3曹に昇任するためには、体力や学科試験や面接からなる昇任試験をクリアし、その後陸曹教育隊という教育機関で、約6ヶ月の大変厳しい教育訓練を受ける必要がある。

3曹承認後は陸士の指導・監督を行う営内班長職や、現場の分隊の隊長である分隊長職、物品や食事等の担当者として事務作業を行う係陸曹職を務めることもあるため、現場のことはかなり理解しているはず。

さらに、当時の職種(自衛隊内での業種)が普通科(歩兵)であったため、思い描く自衛隊像といった前線に近い場所での「戦闘のリアル」を知っている。その経験をネタに昇華しているので、自衛隊関係者が見るとリアルかつ共感できて面白く、自衛隊経験が無い一般人が見た場合は、自衛隊らしいシリアスさも相まって異世界のような文化を知ることが出来てとても面白いのではないだろうか。

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■元陸上自衛官の筆者がおすすめしたいネタ