誰もが知ってるこのソース、5割超が正式名を誤解していた 実は「ブルドッグ」は誤りで…

約6割もの人がブルドックソース社名を「ブルドッグ」と勘違いしていることが判明。担当者は「よく間違えられる」と語る。

2024/03/06 04:45

■100年前からそんな気遣いを…

まずは「ブルドックソース」のルーツを確認したところ、同社の担当者からは「創業当初は『三澤屋商店』という屋号で、ソースを作って一斗かめに入れて量り売りをしていました」との回答が。

当時は問屋からの委託による販売が主流で、それぞれ「委託店のブランド」として販売されていた中、同社独自の販路によるソースは「犬首印」のブランド名で出荷していたという。

ブルドックソース

しかし、委託店ブランドの中には「狼印」の名前で販売されている商品があり、こちらはラベルに狼が描かれていた。そこで同商品との差別化を図るため、当時ペットとして人気の高まっていた「ブルドッグ」を採用したのだ。

ブルドックソース

ブルドックソース担当者は「ソース発祥の地であるイギリスで、ブルドッグは国犬として愛されていました。日本のソースの美味しさもブルドッグ同様に人々に広く愛されるようにと、商品名と社名に採用しました」と、命名の背景について説明している。

ブルドックソース

また、創業者・小島仲三郎氏は「呼びやすいように」ということで、あえて濁点をとった「ブルドック」という社名を採用したそうだ。

日本人は「促音」+「濁点」からなる単語の発音が苦手であり、先ほど例に挙げたような「ビッグ」(ビック)のほか、「バッグ」(鞄)や「ベッド」を「バック」(戻る)、「ベット」(賭ける)と発音してしまうケースは、令和の現代でも珍しくない。

そのため小島氏があえて濁点をとったのは、非常に画期的なアイデアと言えるだろう。


関連記事:日本人の6割超、Canonカタカナ表記を誤解していた じつは「キャノン」は誤りで…

■ブルドッグの誤解、同社では「あるある」だった

1902年(明治35年)に前出の「三澤屋商店」ならびにブルドックソースの歴史が始まり、去る2022年には創業120周年を迎えた。

同社の歩みはまさに、近代日本における調味料の歴史そのものであり、担当者は「様々な時代を経て、日本の洋食文化の発展と共に皆さまの食卓に寄り添い、ほっとする美味しさを届けてまいりました。これからも安全・安心な商品づくりを第一に、『世界のSauceを創造する』ブランドに成長できるよう、挑戦を続けてまいります」と、今後の抱負について語っている。

ブルドックソース

なお、今回のアンケート結果に現れているように「ブルドッグ」と名称を誤解されるのは、同社ではやはり「あるある」な模様。

ブルドックソースグラフ

担当者は「コーポレートマークの印象が強いのでしょうか。ご年代問わず、ブルドッ『グ』と認識されていることが多く、その際には社員の方からお伝えさせて頂いております。当社の社員は入社してから、一度は皆経験していることと存じます」とのコメントを寄せてくれた。

これまで名称を混同して覚えていた人も、今日から胸を張って「ブルドック」と呼んでほしい。


関連記事:BRIDGESTONEのカタカナ表記、約2割が誤解していた 3文字目に「思わぬ罠」が…

■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

・合わせて読みたい→日本人の8割超、このマヨネーズの「本名」誤解していた 100年前にそんな出来事が…

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年2月1日~2024年2月2日
対象:全国10代~60代男女800名 (有効回答数)

一家に1本常備しておきたい【Amazon】