奈緒と木梨憲武の父娘役がハマる理由 愛される娘と笑いと哀愁のギャップ

『春になったら』(フジテレビ系)W主演の奈緒と木梨憲武の父娘役のハマり具合を、2人のここまでの活動から分析する。

■なおも絶好調の木梨

大舞台に出てこようとしない木梨のスタンスが影響力を弱めてしまわないか不安なところ、『憲武 フミヤ ヒロミの突撃!仲間のスターん家』(フジテレビ系)では、所ジョージ・水谷豊・坂上忍・森山良子ら豪華ゲストを集結させた。木梨のこれまでの活動を花開かせたというべき大特番。

毎週同じような仕事をしなくていいという意味では、タレントとしては理想の活動の仕方とも言える。さらに連続ドラマの主演とは、制作の“関西テレビ放送らしい”大抜擢ではあるが、自由な活動をする木梨にオファーがかかるという未曾有の芸人ポテンシャル。


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■木梨と奈緒のハマり役父娘

ドラマでは、木梨はエースの実演販売士『グラッチェ椎名』としても活躍しており、木梨自身のタレント活動と重なる部分もある。それゆえか、木梨は役づくりとして日頃から大きな声で話すキャラクターのようだ。

第2話では、長く闘病せずに「最期を好きに生きる」想いを明るく大声で話し、直後に痛みで苦しみ出す、木梨の「状況と明るさ」のギャップがとても印象的。これは長年、笑いで茶の間を楽しませた木梨だからこそ出せる「明るさと哀愁」のギャップである。

同作品は、「普段から愛される娘のような」奈緒と、「明るさの説得力が哀愁とのギャップを強烈に生む」木梨との、リアリティのある父娘の関係から織りなすハマり役ドラマなのだ。

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(文/メディア評論家・宮室 信洋

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