小学館が「編集者一同」としてコメント 芦原妃名子さんの訃報に「強い悔恨の中にいます」

『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さんの訃報を受け、小学館の「第一コミック局編集者一同」が公式サイトでメッセージを公表。再発防止に向け、著者の意向を尊重することなどを説明している。

■著者の権利の周知徹底

単行本第7巻の冒頭に掲載されている、芦原さんの2023年8月31日付のメッセージで、ドラマ化に際しての修正に「恐らくめちゃくちゃうざかったと思います…」と記していたことについて、「著者の意向が尊重されることは当たり前のことであり、断じて我が儘や鬱陶しい行為などではありません。守られるべき権利を守りたいと声をあげることに、勇気が必要な状況であってはならない。私たち編集者がついていながら、このようなことを感じさせたことが悔やまれてなりません」と述べる。

続けて、「二度と原作者がこのような思いをしないためにも、『著作者人格権』という著者が持つ絶対的な権利について周知徹底し、著者の意向は必ず尊重され、意見を言うことは当然のことであるという認識を拡げることこそが、再発防止において核となる部分だと考えています」と決意をつづる。

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■引き続き検証

また、「これだけが原因だと事態を単純化させる気もありません」とも記す。

「他に原因はなかったか。私たちにもっとできたことはなかったか。個人に責任を負わせるのではなく、組織として今回の検証を引き続き行って参ります。そして今後の映像化において、原作者をお守りすることを第一として、ドラマ制作サイドと編集部の交渉の形を具体的に是正できる部分はないか、よりよい形を提案していきます」とした。


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■ドラマ制作サイドとの交渉

SNSなどでは、小学館側が芦原さんの意向をドラマ制作側に伝えていなかったのではないかとの憶測も流れているが、「先の2023年8月31日付の芦原先生のコメントが、ドラマ放送開始日2023年10月22日よりも2ヶ月近く前に書かれ、そしてドラマ放送開始前に7巻が発売されているという時系列からも、ドラマ制作にあたってくださっていたスタッフの皆様にはご意向が伝わっていた状況は事実かと思います」と説明する。

「そして勿論、先生のご意向をドラマ制作サイドに伝え、交渉の場に立っていたのは、弊社の担当編集者とメディア担当者です。弊社からドラマ制作サイドに意向をお伝えし、原作者である先生にご納得いただけるまで脚本を修正していただき、ご意向が反映された内容で放送されたものがドラマ版『セクシー田中さん』です」と、芦原さんの意向が反映されていたことを強調。

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■「寂しいです、先生」