伊東純也の疑惑が波紋、週刊誌「性加害報道」に潜む落とし穴 被害者の取材をする時に…

『週刊新潮』が報じた伊東純也に関する「疑惑」が波紋を呼んでいる。週刊誌の「性加害報道」にはリスクがあるようで…。

2024/02/06 11:00

■性加害報道の難しさ

2022年には木下ほうか、昨年12月にはダウンタウン・松本人志と、昨今週刊誌が著名人の性加害疑惑を報じることが多い。過去に週刊誌の記者として働いていたAさんは、性加害問題の取材は難しいと指摘する。

「最近はどの週刊誌もホームページ等で情報提供を受け付けています。著名人が女性に性的関係を迫ったという情報も多数寄せられます。ただ、この問題はたとえ事実だったとしても、相手側から名誉毀損等で訴えられることが多いため、慎重に取材しなければなりません。被害を訴える人から、いつ、どこで、どんな被害を受けたのかなど、5W1Hを細かく聞く必要があります。また、記事で双方の言い分を掲載するため、加害者とされる相手にもきちんと事実確認をしなければなりません。取材の過程で少しでも食い違いがあったり、曖昧な点があると、記事化を見送ることもあります」(Aさん)。

寄せられた多数の情報から記事になるのはほんの一握りだという。


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■元週刊誌記者が明かす「落とし穴」

長い時間をかけて地道に取材する性加害問題。Aさんによれば、「性加害報道」は一歩間違えると「落とし穴」にはまる可能性があるという。

「以前、ある著名人が女性に無理矢理関係を迫ったという情報が寄せられました。女性側から話を聞いたところ、詳細な日付やメールのやりとりといった証拠も揃っており、記事にする寸前まで話が進んでいました。ですが、加害者とされる相手やその周辺の関係者に取材すると、女性側が話をでっちあげた可能性が高いことが判明したんです。もちろん、記者は情報提供者を信用しますが、そもそもの情報源が誤っている可能性もあります。取材する記者は、被害者と加害者どちらにも偏らず、中立的な視点を持たなければなりません」(Aさん)。

結局、この件は掲載見送りになったため、世に出ることはなかったという。だが、一歩間違えば、誤った情報で一人の人間の人生を変える可能性もあったのだ。

改めて、週刊誌の「性加害取材」には、慎重な姿勢が求められる。


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■執筆者プロフィール

斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。

某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。

チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。

今期の推しは、『正直不動産2』(NHK)、『院内警察』(フジテレビ系)、『不適切にもほどがある!』(TBS系)。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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