拾った本を遠方の図書館に返却した男性 「1冊の本で人生を豊かに」と手紙に綴る

ある男性が、空港で貸出中の子供向け本を拾った。遠く離れた図書館へ返却した善意の行動が、話題になっている。

図書館・図書室

空港で貸出中の本を拾った男性が、遠く離れた場所にある図書館を突き止め小包で返却。律儀な本好きの人物の物語を、『Fox New』や『UPI』が報じている。

“【写真】読書家によって返却された本と手紙”


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■拾った本を返却

アメリカ・カンザス州のジョンソン郡図書館ショーニー分館に、10月30日に小包が届けられた。

中には学園ファンタジーで人気の作家・サラ・ムリノウスキが書いた児童書『Whatever After; If the Shoe Fits』1冊と、デルタ航空のパイロットが書いた手紙が添えられていた。

「ベン少佐」と名乗る男性は、フロリダへの帰省中にジョージア州のハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港で、置き去りにされた本を偶然見つけた。

そこでベンさんは、バーコードから本を貸し出した図書館を調べだし、その本を郵便で図書館に送り返したうえ、延滞料金の支払いまで申し出たという。

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■「1冊の本で人生を豊かに」

ベンさんからの手紙には、延滞金を申し出た理由として「1冊の本は人生を豊かにすることができます、誰かがペナルティを受けるべきだとは思いません」と書かれていた。

さらに「私は熱心な読書家で、18世紀と19世紀の歴史と海軍の歴史小説が好きです。本を読んだ子供たちが、同じように熱心な読者に育ってくれることを願っています」と想いが綴られていたという。

本を受け取ったショーニー分館の図書館長であるアンナ・マドリガルさんは、「見ず知らずの人の善意により、本当に素敵な人間関係が築けました」「私はこのことをしばらく忘れないでしょう」と感謝の気持ちを語った。

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■延滞料撤廃で免除に

本を借りて紛失した人は、まだ延滞料金を支払っていなかったという。ただしジョンソン郡図書館は今年初めに延滞料を撤廃し、利用者の未納の罰金も免除している。

なおベンさんは本の小包に、デルタ航空の非売品のバッジと子供へのトレーディングカードも梱包し、プレゼントしてくれたそうだ。

図書館は公式Facebookを通じて、「ベン、もしこれを見たら、私たちはあなたとても素晴らしいと思っているよ。私たちの地元に来ることがあったら、挨拶に来てね!」とベンさんに感謝のメッセージを贈った。

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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド

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