宝塚歌劇団、“パワハラ疑惑”の裏にあった厳しい上下関係 「誰に言われたか」の重圧

宝塚歌劇団の会見が波紋を呼んでいる。同劇場では「厳しすぎる」上下関係があったようで…。

2023/11/17 11:00

14日、宝塚歌劇団が、25歳の劇団員がマンションから転落した問題に関して記者会見を行った。「いじめやパワーハラスメントは確認できなかった」と発表し、ネット上で波紋を呼んでいる。

「パワハラ疑惑」が浮上した背景には、宝塚特有の体質があったようで…。

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■「パワハラ疑惑」が浮上

一連の問題は、9月30日、歌劇団の宙組に所属していた25歳の女性が、宝塚市内のマンション敷地内で亡くなったことに端を発する。現場での状況から自殺したものと見られている。

11月10日、女性の遺族の代理人が会見を行い、月250時間を超える時間外労働があったことや、複数の上級生によるパワハラが原因となったことを主張。歌劇団と、運営する阪急電鉄に対して謝罪と補償を求めていた。

これに対し、歌劇団側は14日の会見で、長時間労働については「健康面の配慮が足りなかった」としつつ、「故人に対するいじめやハラスメントはなかった」と否定したのだ。

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■「上下関係が厳しい」

「パワハラ疑惑」が取りざたされた歌劇団は、上下関係が厳しいことで有名だ。ある芸能事務所関係者は、「宝塚」特有の体質を指摘する。

「宝塚の舞台に立つためには、宝塚音楽学校で予科、本科の2年間、歌や踊り、演技の基礎を学ぶ必要があります。この音楽学校で、上級生・下級生の序列がみっちり叩き込まれます。上級生と話す際は、必ず『失礼します』『お願いします』と言ってから話したり、上級生を見かけたら直立不動でお辞儀するなど、礼儀作法やマナーには非常に厳しいんです」(芸能事務所関係者)。

こうした上級生を敬う精神が、歌劇団の長い歴史を支えてきたと言える。ただ、厳しすぎるルールもあったようで…。

「先輩が乗っている阪急電車に向かってお辞儀する、先輩への返事は『はい』か『いいえ』のみとするなどの決まりがあったんです。2020年にこれらの作法は廃止したことが分かりましたが、ある種『先輩が絶対』という雰囲気が強かった印象です」(前出・芸能事務所関係者)。

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■「上級生の誰に言われたか」に重圧

前出の芸能事務所関係者は、「パワハラがあったと断言はできませんが…」と前置きしてこう続ける。

「下級生からすると、『上級生の誰に言われたか』という点にプレッシャーを感じたのではないでしょうか。『◯◯さんに睨まれたらどうしよう…』といった不安があったことは想像に難くない。ひと昔前の芸能界では、監督から灰皿を投げられたり、怒鳴られるといった指導が見受けられましたが、近年はコンプライアンスの観点からそうした行為はNGとされています。宝塚歌劇団も、下級生を精神的に追い詰めるような指導があったのであれば、これまでの体質を見直す必要があるでしょう」(前出・芸能事務所関係者)。

なぜ、劇団員は自ら命を絶ったのか。歌劇団には事実関係を明らかにしてほしい。

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■主な相談窓口

いのちの電話


・ナビダイヤル=0570-783-556(10時~22時)


・フリーダイヤル=0120-783-556(16時~21時。毎月10日は8時~11日8時)


・日本いのちの電話連盟(https://www.inochinodenwa.org)

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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