空き家だった実家が無断で取り壊された女性 「住所の誤り」発覚で提訴の準備へ

空き家になった実家を、補修工事をして雑草を刈り取り、固定資産税も納めてきた子供たち。それなのに無断で取り壊されてしまったという。

2023/11/06 07:00

家・家屋・一軒家

親が住まなくなった実家は、買い手や借り手が見つからず空き家になると、維持するためには掃除など定期的な手入れが必要になる。子世代にとっては、それがなかなかの難題だ。

そんななかアメリカでは、1軒の空き家が初歩的なミスが原因で取り壊され、子供たちに強いショックを与えているという。『Fox5 News』『USA TODAY』などが報じた。


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■無断取り壊しにショック

この話を『Fox5 News』に持ち込み、「強い悲しみと怒りを覚えます」と訴えたのは、ジョージア州アトランタ出身のスーザン・ホジソンさんという女性だ。

「両親が住まなくなった家でも、しっかりと手入れは続けていました。なのに勝手に壊されてしまい、ひどくショックを受けています」「悪い夢であってくれたら…と思う日々です」などと話した。

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■近隣住人からの電話

スーザンさんが9月に休暇で地元に戻ったところ、空き家になって15年という実家の建物が、跡形もなく消えていた。

それ以前に近所の人から電話があり、「実家を取り壊すことにしたのですか?」と尋ねられ、「いいえ」と答えたことがあったという。

今から思うと、その電話は大きなヒントだった。「実家に何か変化が起きる」と危機意識を持ち現場に直行できれば、最悪の事態は防げたかもしれないのだ。

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■業者は許可証を所有も…

電話をくれた近所の人は、その敷地についに入り込んだ作業員に声をかけた。「所有者の許可を取っているんですか」と尋ねたところ、きつい口調で「そんなこと、あなたに答える必要はない」と言われてしまったそうだ。

「では取り壊しの許可証を見せてほしい」と詰め寄ったところ、それなりの書類を手にしていた。ただし、すべての作業が終わった時に、住所が誤っていることが発覚したという。

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■家族は放置しておらず

「約15年間空き家だったのは事実ですが、私たちはちゃんと手入れをしてきました」と訴えるスーザンさん。なるべく空き家だと悟られないように、放置はしていなかったそうだ。

スーザンさんら子供たちは、建物の壁や屋根に傷みが生じれば補修し、雑草を刈り取って庭をきれいに維持して、固定資産税も納めてきた。すでに警察には建造物損壊の被害届を出し、現在は提訴に関して弁護士に相談しているという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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