事故死した高校生の祖母宅で続く「朝食クラブ」 仲間らも立ち直るきっかけに

多くの人に衝撃を与えた男子高校生の死。仲間たちは亡き友人の祖母宅に毎週通い、手作りの美味しい料理を食べながら、傷ついた心を癒やしている。

朝食・和食・白米・味噌汁・みそ汁・魚・鮭

誰からも愛された高校生は亡くなったが、大事にしていた仲間と祖母の交流は続いている。悲劇を乗り越え今も支え合う人たちについて、『CBS News』などアメリカのメディアが伝えた。


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■朝食クラブに協力することに

アメリカ・ミズーリ州セントルイスで暮らしていた男子高校生のサム・クロウさんは、学校の仲間たちとたびたび町のレストランに行き、仲良く朝食をとっていた。

しかしある日のこと、サムさんは祖母のペギー・ウィンコウスキーさん(66)にこう言った。「あのレストランの料理より、おばあちゃんの料理のほうが絶対に美味しいよ」。それを聞いて喜んだペギーさんは、「じゃあ来週、みんなでうちに来たらどうかしら」「ここで朝ごはんを食べたらいいじゃない」と提案した。

これがきっかけで、毎週水曜の朝になると、ペギーさんの自宅にサムさんの仲間が集まるようになった。

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■ひき逃げ事故死に衝撃

ところが、ペギーさん宅で開催する「水曜・朝食クラブ」の発起人となったサムさんが、2022年7月に思いもよらない悲劇に見舞われた。ひき逃げ事故に遭い、命を落としてしまったのだ。

悲しみに暮れるサムくんの仲間たちに「ペギーおばあちゃん、水曜・朝食クラブはどうなるの」と聞かれ、胸を打たれたペギーさんは、「ここに来てくれたら、今までのようにちゃんとご飯を食べさせてあげる」と答えたという。

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■寄り添い合う仲間たち

その翌週の水曜日に、サムくんの仲間たちはペギーさん宅で朝食クラブを再開。今も毎週集まり、サムくんのいない食卓で思い出話をしながら腹を満たしている。

この活動について知った地域の人たちは食材を届けるなどし、ペギーさんの活動を支えてきた。

ペギーさんは毎週食事に来る高校生を見て目を細め、「本当に心が和むんです」「孫もきっと誇りに思ってくれるはず」「あの子が始めたここでの食事会に、こんなに多くの友達が来てくれるんだもの」と話す。

孫を失ったペギーさんと仲間を失った高校生たち。料理を通じての温かい交流は、心の癒やしになっているようだ。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

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