平成の若者を夢中にさせた携帯ゲーム・SNS「モバゲー」のいま 令和の進化ぶりに驚き

2000年代、絶大なブームを巻き起こした「モバゲー」。いまどうなっているのか…。

2023/10/14 04:15

X(旧ツイッター)、インスタグラム、Threads(スレッズ)、Facebook、mixi…。平成から令和にかけて、多くのSNSが生まれ、我々は世代や国籍を越えて交流できるようになった。

2000年代、そんなSNSの先駆けとも言える「Mobage(モバゲー、以下モバゲー)」が絶大な人気を博した。以前に比べると、少々陰が薄くなった印象を受けるかもしれないが、近年の「モバゲー」はメタバース空間にも進出する「進化」を見せていて…。

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■平成に爆発的ブーム

「モバゲー」は、2006年に「モバゲータウン」サービスをスタート。開始からわずか半年で会員数は140万人を越え、翌07年には400万人を突破した。

モバゲー

携帯電話のボタン一つで操作できるミニゲームや、『怪盗ロワイヤル』、『農園ホッコリーナ』といったゲームで当時の10~20代の心を鷲掴み。モバゲー内で自分のアバターを作り、ミニメールや日記で友人と交流できるSNSとして絶大な人気を博した。

モバゲー

11年にサービス名称を「Mobage」に変更。2010年前後はスマホが広く普及し、XやインスタグラムなどのSNSがブームになるにつれ、「モバゲー」から離れてしまった人も多いかもしれない。20年にはフィーチャーフォン対象のケータイ版モバゲーのサービスが終了し、ネット上で懐かしむ声が続出した。

令和になり、モバゲーはどうなっているのだろうか。「モバゲー」を運営する株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)に取材した。

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■人気ゲームは今も継続

まずは、ゲームについて聞くことに。DeNAでゲームプラットフォームを担当する西田幸平さんによれば、一部終了したゲームはあるものの、かつての人気ゲームは今も継続しているという。

「弊社はRPGのゲームが強く、コアなゲーマーが多い傾向にあります。特に『大戦乱!! 三国志バトル』をはじめとした三国志系が人気です。また、『農園ホッコリーナ』のようなカジュアルなゲームも揃えています」(西田さん)。

これらのゲームの名前を聞いて、懐かしく感じた人も多いのでは。そうした人気ゲームは継続しつつ、新たに力を入れていることもあるようだ。西田さんは、「近年、Apple、Googleのアプリストアでは中国系のゲームタイトルがセールスランキングの上位を多く占めるようになっています。『モバゲー』でも同様に中国のゲームタイトルが増えてきました」と話す。


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■アバター機能も進化

「モバゲー」といえば、ゲーム内のガチャでオシャレな帽子や服を購入し、自分好みにカスタマイズするアバター機能がお馴染み。ゲーム内のコミュニティやアバターなどを担当する菅野玲さんに現在のアバター機能について聞いた。

モバゲー

菅野さんは、「ガチャと呼ばれるモバゴールドやモバコインでご購入いただけるアイテムを月10本以上出しています。2000年代の熱量を持たれている方が多く、継続して遊ばれている印象です。下手なアイテムを出すと厳しいご意見をいただくこともありますが(笑)、そうした熱量のある方々のおかげで運営できているのでありがたいです」と笑顔を見せる。

モバゲー

モバゲー

現在はモーション付きアバターを導入している。「単に着替えるだけでなく、コンテストを開催しています。また、『ミテコレ』というコンテンツで自分のアバターを投稿し、他のユーザーがコメントするといったアバターを介したコミュニケーションも活発です」(菅野さん)。

随所で進化が見受けられるが、大きな変更はしていないという。この辺りが長く愛される理由の一つだろう。


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■3Dを使った新サービス

モバゲー

今年2月には、「モバゲー」のアバターが利用できるメタバースイベント『Mobage 3D Park』が開催された。仮想空間プラットフォーム『DOOR』で、「モバゲー」にゆかりのある展示物や『怪盗ロワイヤル』、『農園ホッコリーナ』などのゲームブースも展示した新たな試みだ。

モバゲー

同イベントを担当した黒木俊治さんは、「モバゲーのアバターを買われる方に、髪や服を3Dで見せて工夫した点を説明するライブ配信を行いました。メタバースは人数制限があり、30人ほどしか入れませんでしたが、熱心に聞いていただく方が多く、非常に熱量の高い空間になりましたね」と振り返る。

モバゲー

期間限定のイベントだったが、3Dを利用した事業には意欲を見せているようだ。

「ユーザー様に使っていただいているアバターを3Dのメタバース空間で使えるよう転換する事業を進めています。業界全体が『デジタルで新しいものを作ろう』という局面になっているので、色々な事業者様と協力しながら構想を膨らませています。もともと、『モバゲー』のアバターは3D技術を使っていましたが、現在の3D技術とは乖離がある状態でした。『Mobage 3D Park』はそのギャップを埋められました」(黒木さん)。

今後、メタバースを利用したサービスやイベントが増えるかもしれない。取材の最後に今後の目標を尋ねたところ、今回取材に応じてくれた3人から「皆さんが帰れる場所にしたいです」という熱いコメントが寄せられたのが印象的だった。

久しぶりに「モバゲー」をやってみたら、新たな発見があるかもしれない。


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■執筆者プロフィール

斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。

某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。

チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。
仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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