犯罪ドラマにハマる人へ心理学者が警鐘鳴らす 「精神障害を起こす可能性が…」

「もしあなたが犯罪ドラマ好きだったら危険信号」という専門家による警鐘が、話題を呼んでいる。

テレビ

トラウマになるようなシーンが満載の犯罪ドラマは世界中で人気だが、アメリカの心理学者が「犯罪や暴力シーンなどを含むドラマを好む人は深刻な精神障害を起こす可能性があり、カウンセリングが必要」と警鐘を鳴らした。

このトピックが人々の間で論争になり、『NEW YORK POST』や『LADbible』など複数のメディアが取り上げている。


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■ストレスが原因と指摘

アメリカの心理学者であるテマ・ブライアント博士が、ポッドキャスト『メル・ロビンス・ポッドキャスト』に出演。

人気ドラマ『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』を例に挙げ、「犯罪ドラマを見てリラックスできる人は、ストレスの多い環境で育った人が多く、平和を退屈だと勘違いしてしまいます」と語った。

「犯罪ファン」と呼ばれる人の多くは日頃から未解決のトラウマを抱えており、問題をきちんと解決するよりも、ストレスの多い不吉な番組を見るほうがリラックスできる傾向にあるそうだ。

実際にポッドキャストのリスナーの一人は、「犯罪ドラマは人生で感じている痛みから気をそらせる。怒りの矛先がそちらに向くからだ」と告白したという。

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■「正義を楽しんでるだけ」と反論

しかし「犯罪ドラマにハマる人は危ないサイン」という意見に、意義を唱える人たちも少なくない。毎日見ているという人は、「ドラマのナレーターのなだめるような声が単純に好きだから」という理由を挙げた。

他にも「犯罪ドラマはリラックスするものではなく、登場人物や実在の人物が事件を解決する正義を楽しむもので、自分の人生では決して得られないものだから」と、勧善懲悪的なエンターテイメントだと主張する人もいる。

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■「危機回避能力が上がる」説も

一方で「実録犯罪などの番組を見る視聴者には、犯罪に対する学習能力が備わり危機回避能力が上がる」とメリットを主張する専門家もいる。

研究者のコルタン・スクリブナーさんは「自分が犯罪に巻き込まれたときに、若干の覚悟を持って向き合うことができる」と明言した。

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■セラピーで犯罪ドラマから卒業

ブライアント博士は「トラウマを抱えた人は、その状況を追体験するために犯罪ドラマに惹かれる傾向がある。犯罪コンテンツなしには眠れない人は、自身のために魂を見つめ直すべきです」とセラピーを勧める。

セラピーを受けたある患者は「以前はテレビでカオスなストーリーをたくさん見ていたけれど、この2年間、一生懸命にセラピーに取り組んできた結果、もう見ることができなくなりました」と、犯罪を扱うコンテンツから卒業したことを明かした。

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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド

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