教師が貧しい生徒への支援活動を展開 自腹で食料品を購入し中学校へ持参

お腹が空いた状態で、勉強に集中なんてできない。それを知る教師が、生徒たちのために食料品を買い、食べさせるようになった。その善意が話題を集めている。

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「すべての生徒が十分な食事にありつけるわけではない」。そう考えた男性教師が、自腹で購入した食べ物を学校に持って行く活動を続けていることを、『Fox 13』などアメリカのメディアが伝えた。


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■生徒のために食料購入

アメリカ・ユタ州の中学校で働く教師であるエフゲニー・ペヴスナーさん(50)は、以前から多くの生徒たちに慕われ頼りにされてきた。思いやりがあり、教えるのもうまい。立場が上の教職員もペヴスナーさんを高く評価し、「すばらしい」と絶賛する。

そんなペヴスナーさんが続けている取り組みのひとつが、腹を空かせた生徒に食べさせる食料品を学校に持ち込むことだ。ラーメンやグラノーラバーといった軽食ではあるが、それが貧しい生徒たちの胃袋を満たしている。

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■集中に欠かせない食事

この件についてメディアの取材を受けたペヴスナーさんは、「空腹時に頭に浮かぶのは食べ物だけです」「そんな状態で理科や数学、英語のことを考えられる人はいません」と説明した。

また「僕だってお腹が空いた状態では集中することはできません」「いつ食事にありつけるか分からない子供たちであれば、(集中することは)さらに難しいでしょう」とも語った。

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■アフリカでの経験で目覚め

生徒にきちんと食べてほしい。ペヴスナーさんがそんな思いに目覚めたきっかけは、平和部隊に参加してアフリカに渡ったことだ。

そこで3年ものあいだ教える仕事を続けたペヴスナーさんは、「現地の人は長距離を歩いて移動するんです」「なのに何も食べることができない日があるんです」と回顧。その頃に「食べ物を通して生徒たちを助けていきたい」と思いついたことを明かした。

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■「活動を続ける」と熱意

現在はアメリカの学校で教えているペヴスナーさんだが、そこにもやはり十分な食事にありつけない生徒たちがいる。そんな子たちが勉強に集中できるように、ペヴスナーさんは食べ物を買っては学校に持って行く。

「うちの学校は最高なんです、生徒たちが週末に駆け込める食品庫があるんですから」「冷凍庫も新しくする予定なんですよ、これで冷凍品も置いてやれます」「こういう活動をする教師は僕だけではありません」と嬉しそうに話す。

常に必要な食料を買い揃えるお金があるとは限らないが、ペヴスナーさんは「今後も可能な限り食べ物を買って学校に持って行くつもりです」と話し、目を細めた。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

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