海水浴場の「糞便性大腸菌」含有率高まる コロナ後の利用者増と温暖化で加速が懸念

糞便性大腸菌などに汚染された海、湖、川などで1日泳いでいると、胃腸、副鼻腔や呼吸器の疾患、耳や目の感染症、発疹などが現れる人も…。

2023/07/15 07:30

ビーチパラソル・ビーチ

猛暑日が続くこの夏、海や川、湖に出かけるという人も多いだろう。だが、ちょっと心配な糞便性大腸菌の話題をアメリカの『NBC News』『PEOPLE』『NEW YORK POST』ほかが報じている。


関連記事:東日本大震災から12年、都心から最も近い「大津波被災地」飯岡の町はいま

■汚染の理由はいろいろ

アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)は、海水や湖水に含まれるバクテリアなどの病原菌の量を「Beach Action Value」の基準値と照らし合わせ、海水の安全度を見極めてきた。

昨年、検査はNPO法人「Environment America」により、全米の3,192の海水浴場で実施された。なお、汚染の理由は都市部からの生活排水、溢れた下水、畜産農家などからの排水の流入だという。

関連記事:三四郎・小宮、事務所先輩・ウンナンへの本音を語る 「如実にハマりたい」

■地域差も大きい汚染度

その調査によると、55%にあたる1,761の海岸で調査期間中、最低でも1日は糞便性大腸菌による健康被害が「潜在的に危険なレベル」であることが判明。

なかでもルイジアナ、テキサス、フロリダ州が面しているメキシコ湾岸では、84パーセントの海水浴場がこれに該当。西海岸の70パーセント、五大湖の63パーセント、東海岸の48パーセント、アラスカ州とハワイ州の24パーセントがそれに続いた。


関連記事:福島原発の処理水問題 “対外宣伝下手”な日本は「安全性」をさらに発信すべきだ

■川や湖も安全とは言い切れない

また、363の海岸では検査期間の25%以上の日数が「潜在的に危険なレベル」だった。こうした水で泳いでいて、胃腸、副鼻腔や呼吸器の疾患、耳や目の感染症、発疹などが現れたという人の数は、アメリカでは毎年約9,000万件にも上るという。

特に恐ろしいのは、川や湖にいる「人食いバクテリア」や「脳食いアメーバ」により、壊死性筋膜炎や原発性アメーバ性髄膜脳炎で数日もなく死亡すること。温暖化で患者数は年々増えているもようだ。


関連記事:『獺』は何と読む? 約半数が間違えたのはよく似た姿のアノ動物だった

■日本でも調査が行われている

日本の海水浴場でも、同様の調査は行われていた。2022年の海水1ooミリリットル中に含まれる糞便性大腸菌群の数ワースト10は、 1位が九十九里浜のほぼ中央に位置する千葉県横芝光町の「屋形」で、その数は370個だという。

そして2位は奈良県五條市の「きすみ広場」で330個、3位は千葉県鴨川市の「内浦」の270個だった。ワースト10のうち6ヶ所が千葉県の海水浴場だそうだ。

・合わせて読みたい→東日本大震災から12年、都心から最も近い「大津波被災地」飯岡の町はいま

(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

海の歴史【Amazonでチェック】