ボウリングレーン両脇の溝、7割の人が勘違いしていた うっかり「ガーター」と呼ぶと…

ボウリングレーンの両脇にある溝、誰もが名称を知っていると思いきや…。約7割が「ガーター」と勘違いしていることが判明したのだ。

2023/07/11 03:45

世の中には「あれ、どっちだったかな…」とおぼろげに記憶してしまう事象が多々あるが、その正式名称が誕生した「背景」を知ると、思わず納得してしまうもの。賢明なる読者には既知の事実として映ったり、「細かすぎるだろ!」とツッコミを入れたくなるケースもあるかと思うが…決して少なくない人々が「誤って記憶している事象」の正体について探っていきたい。

今回取り上げるのは、ボウリングレーンの両脇に存在する「あの溝」の正式名称についてである。

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■ボウリング初心者の「脅威」と言えば…

ガター

プレッシャーを高める要素が随所に散りばめられたボウリング。中でも「初心者にとって最初の壁」と呼ぶべきが、レーンの両脇に設けられた「溝」の存在だろう。

「真っ直ぐに、真っ直ぐに…」「溝にさえ落ちなければ良し…」と強く意識してしまうほど、なぜかボールは無情にも溝に吸い込まれていくもの。ボウリングを一度でもプレイした経験がある人ならば「常識」と言いたくなるかもしれないが、読者諸君もいま一度、こちらの溝の正式名を思い浮かべてみてほしい。

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■「かつては呼び方が違った」説

今回は全国の10〜60代の男女1,000名を対象として、「ボウリングレーンの『両脇にある溝』の呼び名」に関するアンケート調査を実施。

ガターグラフ

その結果、こちらを「ガーター」と回答した人は全体の65%、「ガター」と回答した人は35%と判明したのだ。溝の名称は「ガター」が正しいが、正直なところ、記者がボウリングを初めてプレイした20年ほど前は「ガーター」呼びが一般的で、ここ十数年の間に「ガター」呼びが浸透し出した印象を受ける。

この記憶が正しければ「中高年はガーター、若年層はガターと認識している人が多い」傾向になるはずだが、今回の調査結果を年代別に分けてみると…。

ガターグラフ

記者の推測とは反対に、10〜30代の7割以上も「ガーター」と認識している一方、60代は「ガーター」の回答割合が全年代中最も小さいと明らかになったのだ。

ガターグラフ

となると、「かつてガターはガーターが正式名だった説」は誤りなのだろうか…。とはいえ、全体の7割近くが「ガーター」と誤認している点には、何らかの理由が存在するはずである。

そこで今回はガターの名称について、「全日本ボウリング協会」(JBC)に詳しい話を聞いてみることに…。


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■そもそも「ガーター」の意味は…

ボウリング

「かつてガターはガーターが正式名だった説」をぶつけたところ、JBC担当者からは「ルールブックにおいて『ガーター』表記は確認できませんでした」「英語の『gutter(溝)』を日本国内でもそのまま用語として使用していますので『元々ガターだったものが、誤解されるようになった』という認識でよろしいと思います」との回答が。

さらには「私自身も、初めてボウリングをした頃に『ガーター』と聞いて(教えられて)、そのまま疑いもなく覚えてしまった記憶があります」というエピソードも飛び出し、やはり「最初にガーターで覚え、徐々にガター呼びへ移行していく」流れに覚えがある人は少なくなさそうだ。

JBC担当者は「耳で聞いて伝わっていくうちに『ガーター』の呼び方が、より浸透してしまったのかもしれません」とも分析している。

ボウリング

以前Sirabee編集部では「ボウリング」と「ボーリング」の表記に関する意識調査を実施した経緯があり、その際は「ボウリング」と正しく認識している人が8割近くを占めていた。しかし「ボウリング」と比較すると「ガター」という表記を目にする機会は少ない点が、今回のような結果に繋がったのでは…という推測である。

さらには「5月に『NHK杯』という国内最高レベルの大会が実施され、NHKで生放送もされたのですが、優勝した選手が決勝の第1投でガターをし、優勝インタビューの際に『ガーター』と発音していました。選手の中にも『ガーター』呼びが根強いことを実感した次第です」とのコメントも飛び出したのだ。

ボウリング

前出のように「ガター」は溝(gutter)を意味するが、「ガーター」は(garter)ファッションアイテムを意味するため、英語圏の人々との会話で使用する際は、特に注意が必要だろう。

そこで今回は「ガター」という正しい呼び方を、ボウリングで「ガターをしないコツ」と併せて覚えていってほしい。

JBC担当者は「ボールを投げる際、どうしても足元に目線を落としてしまいがちですが、ボールが狙ったピンに向かって転がる軌道を意識して腕を振り、できるだけ遠くにボールを投げると良いです」と、ポイントを説明している。足元近くでボールを「落とすよう」に投げると前方への推進力が弱く、そもそもピンまで届かないのだ。

正しい呼び方と投げ方を理解すれば、もう「ガター」は怖くない?

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年6月2日~2023年6月5日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)

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