「飯能」駅、4人に1人が読み間違えていた… なのに高い知名度を誇る意外なワケ

【鉄道トレンド調査隊】首都圏にある難読駅名の一つ、西武池袋線の飯能駅の正しい読み方とは。そして飯能には一体何があるのか。

2023/07/09 04:00

日本には多くの駅名が存在する。中には、読みが難しかったり、意外な読み方をする駅名もある。そんな「難読駅名」を正確に読める人はどのくらいいるだろうか。

今回は誤読されやすい西武池袋線の「飯能駅」の読み方について、10代から60代までの男女1,000人に聞いた。あなたは「飯能」を読めるだろうか。


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■「飯能」は「はんのう」が正解! 4人に1人が誤読の衝撃

「飯能」を何と読む?

「飯能」の正しい読み方は「はんのう」。全体で74.9%の人が正しく読んでいた。一方、25.1%の人が「いいのう」と回答。「飯」の字をどう読むか、迷いが生じたと推測できる。特に、10〜20代では誤読が多く、男性で33.33%が、女性の36.36%が「いいのう」と読んでいることがわかった。

飯能駅は埼玉県飯能市にある。停車する路線は、西武池袋線のみ。それなのに知名度は7割を超え、意外にも高い結果に驚いた人もいるだろう。

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■「見たことがある」意外な知名度の高さ、そのワケは

高い知名度を誇るのは、その直通路線の多さに起因すると考えられる。西武池袋線は、東京メトロの有楽町線、副都心線、東急東横線、みなとみらい線と直通しており、その各駅で「飯能行き」という行き先表示を目にすることができる。

筆者の周りに聞いてみると、「渋谷で電車を待っていると『飯能』という行き先をよく目にする。埼玉県の駅なんですね」(20代女性)、「地下鉄の車内アナウンスで『この電車は飯能行きです』と聞き、読み方を知った」(40代男性)という声があった。


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■謎の終着駅「飯能」には一体、何があるのか

飯能・メッツァ

埼玉県西部に位置する飯能市。都心まで1時間程度でアクセス可能で、ベッドタウンとしても人気のある街だ。ここ数年で、一躍飯能の知名度を上げたのは「ムーミン」というキーワードだろう。

飯能駅からほど近いところに、2018年に北欧の生活をテーマにした複合施設「メッツァビレッジ」と、2019年には世界で2番目のムーミンのテーマパーク「ムーミンバレーパーク」がオープンした。

飯能・メッツァ

宮沢湖のほとりにある広大な敷地には、北欧やムーミンの世界観を余すことなく堪能できる。キャラクターショーやアトラクション、ワークショップなどさまざまなイベントが行われ、週末には観光客や近所のファミリーでごった返す。

まるで北欧に来たような美しい自然に囲まれた環境は、人々の心を愛してやまない。池袋から飯能へは、特急で約45分ほど。都内からのアクセスが便利なのも魅力だ。

「毎週のようにメッツァに来ています。湖をぼーっと眺めながら、自然のなかでビールを飲む。都会での忙しい日々に疲れた心が癒やされていきます」(30代女性)。


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■おしゃれすぎる特急「ラビュー」で飯能に行こう

飯能・特急ラビュー

何を隠そう、飯能は筆者が育った街である。おなじ埼玉県の、さいたま市や川越市などと比べると華やかさには欠けるが、飯能には商業施設やレストランなどの飲食店、コンビニも豊富にあり、便利な環境が整っている。マイナーだが、自然と同居ができる稀有な街である。

特に筆者が推したいのは「空気のおいしさ」だ。池袋から電車に乗り、小一時間で到着したのち、ホームに降りる。そこで深呼吸すると、感動するほど空気がおいしいのである。市の面積のうち約76%が森林に覆われている飯能は、そこかしこに木立の匂いが立ち込めている。駅にいるだけでマイナスイオンを全身に浴びることが可能だ。

飯能は、西武鉄道の人気特急「ラビュー」の停車駅でもある。ラビューは建築家・妹島和世氏がデザインを担当し、まるでインテリアショップのようなスタイリッシュな内装に心が躍る。鉄道ファンだけでなく、ファミリーや若い女性なども、そのシルバーの車体を見かけては、みんなスマホで写真を撮っている。

まずは「飯能」の正しい読み方を知っていただくところから。そして、ふらっと行ける距離感で自然に癒やされたいと思ったら、ぜひ足を伸ばしてみてほしい。飯能、ぜひお見知りおきを。

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