高濃度の塩素消毒剤入りプールで遊んだ12名が救急搬送 無意識に飲み込む利用者も

プールの水の消毒に使用される次亜塩素酸ナトリウムによって、利用者たちが体調不良を訴える事故が発生。中枢神経症状などが起これば、死に至る場合もあるという。

2023/07/02 07:00

プール

これからの時期、プール遊びが楽しみという人も多い。そんななかアメリカのあるプールから、消毒に関する事故の話題が飛びこんできた。『Fox News』『Yahoo!』『PEOPLE』ほか多くのメディアが報じている。


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■体調不良を訴えたプール利用者

事故は6月24日の午後5時ごろ、テキサス州ヒューストン市にある会員制のスポーツクラブ「クラブ・ウェストサイド」のプールで起きた。

施設の屋外部分にはゆっくりと流れるプールがあり、そこで遊んでいた12名が次々と体調不良を訴えたのだ。そして子供7人を含む10名が救急車で、また2名が自家用車で付近の病院に搬送された。

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■無意識に水を飲み込み…

この事故の原因について、地元消防署は「プールの水に、基準量を大幅に超える塩素消毒剤が投入されていたことが原因だ」と発表した。

利用者が多い日のプールは、排尿その他の汚れでどうしても塩素消毒剤が多めに投入されがちだが、この度のケースはさらに高濃度だった。利用者が無意識のうちに水を飲み込むことも、原因だという。


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■人気の会員制スポーツクラブ

クラブ・ウェストサイドは、フィットネスやトレーニングジムのほか、テニスコート、ボウリング場、プール、キッズスペースなど設備が充実し、人気の会員制スポーツクラブだった。

特にプールは競技用の室内温水プールばかりか、家族向けの大型プール、32人が利用できる大型のジャグジー、キッズ向けのウォータースライダーなどもあるという。


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■塩素による健康被害

24日午後6時ごろ、消防署は地元住民に向けて「塩素ガスに警戒し、クラブ・ウェストサイドに近づかないように」と呼び掛けた。空気や水の塩素濃度の正常化には、2時間を要した模様だ。

プールの水の消毒に使用される次亜塩素酸ナトリウムは、高濃度になると窒息感、喘息、吐き気、皮膚や目の炎症を引き起こす。中枢神経症状などが起これば、死に至る場合もあるという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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