障害持つ息子のため父親がスクールバス運転手に 「地域にも貢献したい」

人材不足で、子供たちが定時に学校に到着できないことも…。それを知った父親が一念発起し、スクールバスの運転手になった。

スクールバス

空いた時間を利用し、息子や地域のために尽力したいと考えた男性が、訓練を受けてスクールバス運転手として活動し始めた。『ABC News』などアメリカのメディアが紹介している。


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■スクールバスの運転手が不足

アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴで5児を育てるリック・デインズさんが、地域の子供たちを学校に運ぶスクールバス運転手が不足しているという話を聞いて驚いた。

事態は深刻で、バスが1時間以上遅れる日も珍しくはないという。自閉症でダウン症もある息子イーライくん(10)も困っていたことから、リックさんは「自分にもできることはないか」と考えた。

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■「僕が運転を…」と決心

そんなある日、リックさんはスクールバスの運転手と話す機会に恵まれ、「勤務時間は午前6~9時」と聞かされた。

常勤の仕事や子育てもあるが、その時間帯であれば働けると考えたリックさんは、家族と地域に貢献するためスクールバスの運転手になることを決めた。

そこでリックさんは、イーライくんには秘密にしたままスクールバスの運転を学び始めたという。


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■息子も父の姿に歓喜

訓練を終えて運転手になったリックさんは、5月3日に勤務を開始。イーライくんが利用するバスの運転手はすでに確保されていたが、リックさんの事情を知って別ルートの担当を引き受けてくれた。

こうしてリックさんが運転手として初めてスクールバスに乗った日、何も知らずに乗り込んだイーライくんは「パパ」と大声をあげて喜んだ。この様子を複数のメディアが取り上げ、リックさんの善意と行動力を褒めている。


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■「ぜひ貢献を」と話す男性

運転手デビューが話題になったリックさんは、地域のために貢献することがいかに大事か「人々に理解してもらいたい」と話す。

「もし地域でやれることがあれば、ぜひチャレンジしてほしいです」「ご近所の人を助けてあげるのもいいし、地域のスクールバスを運転するのもいいですね」とも述べ、善意の輪が広がることを願った。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

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