夏服と冬服を「入れ替える」衣替えは時代遅れ? 令和に押さえるべき仕分け術があった

そろそろ衣替えの季節。衣類を整理する際、発想を少し切り替えることが大切だ。

2023/06/03 05:15

衣替えイメージ

暑い日が続いたと思ったら、肌寒い日があったり、何を着るか難しい季節。とはいえ、そろそろ、冬場に着ていたコートやダウンジャケット、セーターをしまおうという人も多いかもしれない。

衣替えは古くからおなじみだが、令和の時代にあったやり方が必要なようで…。

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■令和の衣替え事情

4月、防虫剤「ムシューダ」を販売するエステーが、衣替えの方法を提案する「『替える』より『分ける』新衣替え術」ガイドブックを発表した。同ガイドは専門家監修のもと作成されたもの。

衣替えに関して、昭和と令和で変わった点、その変化に合わせた片付け方などを紹介している。今年3月にエステーが行った「令和の衣替え実態調査」によれば、「季節の変わり目に一斉に衣類を入れ替えている」と回答した人は22.9%という結果に。

また、約5割の人が収納場所に衣類をぎゅうぎゅうに詰めて入れていることも分かった。つまり、時間をかけて衣替えする人は減っているが、きちんと衣類を収納できていない人が多いということだ。

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■衣替え事情が変わった背景

衣替え

先述した「衣替えガイド」には、以前は洋服ダンスの収納が主流だったが、現在はクローゼット収納が増えていること、夏物・冬物とガッツリ分けず、まとめて入れるようになったことなどが記されている。

このガイドを監修した、お片付けコンシェルジュでインブルーム株式会社の伊坪美和さんに、衣替えの傾向が変わった背景について聞いた。

「暖房などの空調が良くなった関係で1年中着られる服も増えました。冬は長袖のTシャツやセーターを重ね着したり、夏も長袖と半袖のTシャツをコーディネートするなど、オールシーズン使う服が増えたのも原因の一つかもしれません。一つの服を3シーズンで使えるので、時間をかけて衣替えする人が減っているのでしょう」(伊坪さん)。

昭和、平成、令和と時代が移り変わり、ライフスタイルが変化する中で、服の収納法も変わったのだろう。


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■「分ける」発想に切り替える

オールシーズン着られる服が多い今の時代、服を「入れ替える」のではなく、「分ける」発想に切り替えなければならない。特に、整理する際「この服はいる・これはいらない」と考える人は改める必要がある。

衣替え

「『この服は着るかもしれないし、取っておこう』と思ってしまい、いらない服を捨てられません。その場合、服が主語になっていますが、自分を主語にして『(自分が)着たいか着たくないか』と考えましょう。そうすると、特に気に入っていたわけではないものの、持っていた服が意外に多いことに気付くと思います。冬物をしまって夏物を出すこのタイミングで、この冬一度も手を通さなかったものは次の年に持ち越さないようにしましょう」(前出・伊坪さん)。

記者も経験があるが、ほとんど着ていない服を手に取って「これ、まだ穴空いてないし、いつか着るかも」と思ってしまったら最後。いつまで経っても捨てられず、スペースだけ取ってしまうことになる…。

服を分ける際、着たい・着たくないに加えて、もう一つ選択肢を作ることも大切だという。

伊坪さんは、「『迷うゾーン』を作ると、判断しやすくなります。迷ったものは一度、まとめて同じスペースに置き、時間が経ってから見ましょう。すると、意外と簡単に捨てられるものです。それでも迷った服は普段使うものとは別の袋に入れて、『1年後』とある程度期限を決め、その間に一度も着なかったら捨てるようにしましょう」と語る。


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■収納が少ない物件では…

服を分けたら、クローゼットにしまうことになるが、この時、用意しておきたいアイテムがあって…。

「服のサイズに合った収納ケースを用意しましょう。取っ手があるタイプだと出し入れしやすいです。メーカーによって色々なサイズがあるので、予算等考えつつ、その服に合ったものを買いましょう。また、クローゼットがぎゅうぎゅうだとカビや虫食いのリスクになります。特に、ウォークインクローゼットは換気が悪くなりがちです。除湿剤や防カビ剤配合の防虫剤を使うのがおすすめです」(前出・伊坪さん)。

衣替え

せっかく分けた服にカビが生えたり、黄ばんでしまっては台無しなので、きちんと洗って乾かしてからしまうようにしよう。

都内だと、収納が少ないアパート、マンションも珍しくない。そうした物件で気を付けることを尋ねたところ、伊坪さんからは、「そこに入るものを見極め、8割程度使うイメージを持ちましょう。コートやダウンはかさばってしまうので、半年間預かってくれる保管クリーニングサービス等を利用してもいいかもしれません」という回答が寄せられている。

発想を少し変えるだけで、面倒だった衣替えも案外楽しいものになるかもしれない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/お片付けコンシェルジュでインブルーム株式会社の伊坪美和さん)

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