大河ドラマ『光る君へ』の題字が決定 書家・根本知氏「何度も筆をとりました」

2024年度大河ドラマ『光る君へ』の題字が決定。紫式部と藤原道長、両者の想いが入り混じる。

光る君へ

2024年放送の大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。このたび、書家・根本知氏による同ドラマの題字が決定した。


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■書道学博士の根本知氏が制作

光る君へ

題字を制作した根本氏は書道学の博士という肩書をもち、大東文化大学や立正大学、相模女子大学等で教鞭を執る傍ら、腕時計ブランド「GrandSeiko」への作品提供やNYでの個展開催(2019年)など創作活動も多岐に渡る。

無料WEB連載『ひとうたの茶席』では茶の湯へと繋がる和歌の思想について解説、および作品を制作。また、近著に『書の風流ー近代藝術家の美学』(春陽堂書店)がある。

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■「何度も筆をとりました」

根本氏からコメントが到着している。

根本氏:『光る君へ』は、漢字とかな文字が交互に並ぶタイトルです。紫式部と藤原道長、両者の想いが入り混じり、それでいて互いに感化し合うような、そんな印象の題字を書きたいと思いました。


日本書道の魅力の1つに「流れ」の美しさが挙げられます。文字だけでなく、文字と文字の間にも流れが感じられるよう、何度も筆をとりました。ドラマでは、書道指導も担当します。平安時代の書に向き合える喜びとともに、身の引き締まる思いです。


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■「題字は絶対に毛筆でいきたいと」

チーフ・プロデューサーの内田ゆき氏からもコメントが。

内田氏:『光る君へ』出演者への書道指導を根本知先生にお願いして、最初のレッスンの日。先生の手元から生まれる柔らかく瑞々しい墨跡。そして、さわやかに、それでいて情熱的に書を語る先生のことば。


全く書道の知識がない私ですが、平安の人々にとって、どんなに文字が大切なものであったかに思いを馳せ、心のうちを表す手段というだけでなく、文字そのものが宝といっていい文化であり、連綿と私たちに伝わってくれたことへ感謝する気持ちになりました。


紫式部の『光る君へ』だからこそ、題字は絶対に毛筆でいきたいと思っていました。決め手は、もちろんまず根本先生の字の美しさ、優しさ、色気。加えて、手紙に書類に、和歌に漢詩に、日記に物語にと文字を書く人たちによって紡がれるこのドラマを、ご一緒にわくわくしながら作ってくださっている安心感でした。


題字を眺めると、自在に静や動があやつられて1つの世界を描くように、文字から文字へ、かろやかにつながっていきます。なかでも私が好きなのは「光」の最後の一画。このたおやかな曲線は根本先生にしかできない、と、見るたびに感じいってしまうのです。


この題字が光を発して私たちの物語の拠りどころをひとつ示してくれているようで、非常にうれしく有難く思っております。


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■『光る君へ』の物語