カロリーメイトが黄色い理由、これは知らなかった… 40年前の逸話がエモすぎる

現代人の生活を支えてくれるカロリーメイト。しかし40年前の発売当初は、思わぬ「逆境」を経験していたことをご存知だろうか。

2023/05/15 04:45

今まで意識していなかった知人の年齢を聞いて、思わず驚いた経験はないだろうか。こうした出来事は、何も人間だけに限った話ではない。

今回は、忙しい現代人の頼れる相棒「カロリーメイト」の年齢と、その歴史について探っていこう。

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■カロリーメイトの発売年、分かる?

カロリーメイト

カロリーメイトといえば、店頭でも目をひく黄色いパッケージでお馴染みのバランス栄養食。手軽に食べられるのがウリで、多忙な日々の中でお世話になっている人も多いだろう。

しかし、話題がカロリーメイトが発売された「年」となると、思わず目が泳いでしまう。ミドサーの記者からすると、カロリーメイトは「物心がついたときから存在していた商品」であり、皆目検討がつかないのだ。

そこで今回は、全国の10〜60代の男女1,000名を対象とし、アンケート調査を実施することに。「カロリーメイトが誕生した年はどれだと思う?」という設問に対し、「1973年」「1983年」「1993年」の3択を用意。

ぜひ、読者諸君もどれが正解かを予想してみてほしい。

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■半数以上が見事正解

カロリーメイトグラフ

調査の結果、「1973年」と回答したのは全体の26.4%、「1983年」を選択したのは58.4%、「1993年」と回答したのは15.2%と、過半数が「1983年」を選んでいた。

正直なところ、調査を実施する前は「4割ほどが正解できれば十分かな」などと考えていたが、カロリーメイトは1983年4月に発売された商品であり、予想を上回る約6割もの人々が正解を導き出していたのだ。

そこで今回は、23年4月で「40歳の誕生日」を迎えたカロリーメイトの詳細について、同商品を製造・販売する「大塚製薬株式会社」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、今では考えられない「驚きのエピソード」が明らかになったのだ…。


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■発売当初の「状況」に驚き…

時は70年代、大塚製薬のある研究員は医師との会話の中で、食事ができないために退院できず、元の生活に戻れない人が多く存在することを知り、「普通の食事ができない人でも、経口で必要な栄養が摂れるものを創れないだろうか」と考える。

ハイネックス-R(粉剤)
(ハイネックス-R 粉剤)

そして、同社が長年培ってきた栄養製品に関する技術とノウハウを活かし、点滴に代わる臨床栄養食の開発がスタート。カロリーメイトの前身となる濃厚流動食「ハイネックス-R」が誕生したのだ。

初代カロリーメイト
(発売当初のカロリーメイト)

70年代当時は日本人のライフスタイルが多様化し、食事の欧米化やインスタント食品の急速な普及、朝食欠食や深夜の食事など、食生活も大きく変化した時代。そこで、前出の濃厚流動食を健康な人の栄養補給にも応用すべく、長い期間をかけて開発されたのが「カロリーメイト」だという。

初代カロリーメイト
(発売当初のカロリーメイト ドリンクタイプ)

令和の現代では、非常に馴染みのある「バランス栄養食」というフレーズ。コンビニやドラッグストアを覗けば、それこそ目移りしてしまうほどの商品が陳列されている。

しかし当時は状況が全く異なり、大塚製薬 担当者は「83年の発売当時は『栄養調整食品』というカテゴリー自体が存在せず、『カロリーメイトにはバランス栄養食と書かれているけど、一体何物なのか分からない…』という声が上がるなど、すぐに消費者に受け入れて頂けるものではありませんでした」と、当初の様子を振り返っていたのだ。

決して芳しいとはいえないスタートを切ったカロリーメイトを全力でプッシュすべく、大塚製薬は全国に100名のチームを結成し、栄養バランスの大切さや「カロリーメイトとはどういったブランドなのか」と、その価値を伝え続ける活動を開始。

カロリーメイト

大塚製薬 担当者は「スポーツ栄養やダイエットなど、様々な切り口で栄養バランスの重要性を説き、徐々にカロリーメイトのバランス栄養食というコンセプトが浸透していきました。その礎の上に、現在様々な方々に様々なシーンでバランス栄養を届けるカロリーメイトがあります」と、現代に通じるカロリーメイトの「ブレない魅力」について強調している。


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■あの「黄色」にそんな意味が…

カロリーメイトグラフ

前出のアンケート調査の年代別回答を見ると、ある傾向に気づかないだろうか。そう、全年代の中で「50代」の正答率が70.5%と、突出して高いのである。

カロリーメイトの発売年が83年ということは、当時リアルタイムで食べていた「直撃世代」は、50代前後に集中していると考えられ、今回の調査結果と決して無関係ではないだろう。

カロリーメイト

今回の調査結果を受け、大塚製薬も「カロリーメイトの黄色には、学生が部活動や勉強を頑張った帰り道に、売店が強い夕陽に照らされていてもすぐに見つけられるような強い黄色にしたい、という思いも込められています」「現在の50代の皆さまが学生だった頃にも、お腹が空いたり、栄養が必要なときにバランス栄養を届けられていた結果が、今回の調査結果なのかな、と感慨深いものがありました」と、笑顔でコメントを寄せている。

さらに「現在カロリーメイトを多く摂取してくれる10代〜20代の皆さまも、40%以上の方々にカロリーメイトの歴史を知った上で現在も手に取って頂いていることはとても嬉しく思います。年月が経っても、いつまでも新鮮で輝いているブランドでいたいと改めて感じました」と、抱負を語ってくれたのだ。

現在のカロリーメイト

発売当初は「時代を先取りしすぎていた」感の強かったカロリーメイトだが、40年が経過した今なお、その本質的な魅力は全く薄れていない。今後どれほどの時を経ても、新たな世代に愛され続けていくことだろう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年4月16日~2023年4月18日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)

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