中国軍はいつでも準備万端? 日に日に現実味を帯びてくる中台戦争

4月の蔡英文・マッカーシー会談で再び軍事活動をエスカレートさせた中国。もう「起こるか起こらない」の話ではなく「いつ起こるか」だ。

中国と台湾の旗

8月初めに当時のペロシ米下院議長が台湾を訪問し、蔡英文総統と結束を強化したことで、中国はそれへの対抗措置として台湾南部や東部、北部などで一斉に台湾を包囲する大規模な軍事演習を行い、大陸側から大量のミサイルを打ち込んだ。


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■昨年8月ペロシ訪台で泥を塗られた習近平

中国軍機の中台中間線越え、防空識別圏への進入も相次ぎ、大陸に近い台湾離島へは正体不明のドローンが飛来した。中国はこの訪問の前から再三にわたって米国をけん制してきた。

中国外務省はペロシ氏が訪問すれば強い対抗措置を取るとけん制し、習近平国家主席もバイデン大統領との電話会談で、「火遊びをすれば必ず火傷する」と同訪問に釘を刺していた。習氏としては完全に泥を塗られた形となり、これまでにない規模の軍事演習で対抗措置を取る形になった。

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■4月の蔡英文・マッカーシー会談

そして、今回の会談についても、中国は事前に台湾と米国を強くけん制し、対抗措置を辞さない構えを示していた。台湾と米国も中国が軍事的に対抗措置をとることは分かっていたとしても、今回両国がカリフォルニアで会談したい背景には、中国を必要以上に刺激したくという政治的意図が働いていた。

マッカーシー氏は台湾を訪問する意欲を強く示していたが、台湾側は事前にマッカーシー氏に対して米国での会談を打診していたという。それにも関わらず、今回中国は昨年8月と同じ規模の軍事演習を行った。

これは中国側のより強い気持ちの表れであり、台湾有事のリスクはまた上がったと言えよう。もう「起こるか起こらない」の話ではなく「いつ起こるか」だ。今後も中国は口実を探し、何かあれば軍事的圧力を強化し、それがいつの日か戦争となるだろう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中

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