12歳少年がサッカー練習中に死亡し母親が訴訟へ コーチらが心肺蘇生法を知らず…

大人たちは「刺激を与える」と言って水を浴びせ、少年の体を揺り動かすばかりだった。

2023/02/26 07:30

サッカー・サッカーチーム・コーチ

このほどアメリカ・ニュージャージー州で、サッカーチームに所属する12歳の少年が練習中に突然倒れ、死亡した。現場の誰も心肺蘇生法を施さなかったと知り、両親は激怒。訴訟の準備に入ったことを『abc6 News』『News12 New Jersey』などが報じている。


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■グラウンドで突然倒れる

ニュージャージー州エセックス郡のニューアークで10日、「KIPP Rise Academy」に通うイライジャ・ジョーダン・ブラウン=ガルシアくん(12)がサッカーの練習中に突然倒れ、搬送先の病院で死亡が確認された。

その前にほかのメンバーと接触した事実がないことから、外傷の可能性は否定され、心臓発作を起こしたと考えられている。

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■水を浴びせ揺り動かす

倒れたイライジャくんは呼び掛けや刺激に反応せず、救急車を要請。しかし到着までの間に心肺蘇生法を試みる者はおらず、大人たちは「刺激を与えよう」と水を浴びせ、体を揺り動かしていたという。

母親のレイヴン・ブラウンさんは、あるコーチから謝罪の電話をもらった際、誰も心肺蘇生法の講習を受けていなかったと知らされて激怒。郡のサッカーリーグとチームを相手に、損害賠償を請求する訴訟の準備に入っている。


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■「何人もの大人がいながら…」

『News12 New Jersey』の取材に、レイヴンさんは「何人ものコーチがいながら、誰も救命措置の方法を知らない。それでよくスポーツを指導できますね」と怒りをあらわにしている。

イライジャくんの突然の死に、保護者の間からも「誰かが心肺蘇生法を行っていたら助けることができたのでは」と、現場のコーチたちを責める声が上がっている模様だ。


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■救命措置の方法を学ばず

イライジャくんが通っていた「KIPP Rise Academy」は、学力の低い小中学生のために親、地域のボランティアなどが州、学区の特別な認可を受けて教育にあたるチャーター・スクールだった。

ニュージャージー州では、公立教育機関の教員たちにAED(自動体外式除細動器)の使用方法や心肺蘇生法を習得させているが、チャーター・スクールまで監視の目が行き届かなかった可能性がある。

なお、イライジャくんがこれまで健康上の問題を指摘されたことはなかったという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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