最強寒波から新潟を守る“佐渡バリア”は迷信? 気象予報士が明かす「ある役割」

日本列島を大寒波が襲っている。しかしなぜか新潟市だけは降雪予想が少なく、ネットでは「佐渡島のおかげ」という声が…。

寒波・大雪

24日から25日にかけ大寒波が襲っている日本列島。豪雪地・新潟も山沿いでは50~60cmにもなる降雪量が予想されていたが、幸運にも県の中心である新潟市は10cm程度の降雪に留まった。ネットでは「佐渡バリアの恩恵」「佐渡ヶ島様、守ってくれてありがとうございます」という声が相次いでおり…。


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■「今季最強寒波の到来!」

寒波・大雪

24日夜、強い寒気が本州を中心に流れ込んだ。エリアによっては10年に1度という警報級の大雪に、さらには台風級の暴風になると予想がされ、気象庁は各地に「不要不急の外出は控えて」と注意喚起を促した。

国内屈指の豪雪地帯である新潟県では、県ホームページのトップに「今季最強寒波の到来! 大雪に厳重警戒」という警告文が掲出。「道路や交通機関への影響“大”、今から予定の変更を」と県民に呼びかけていた。

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■新潟市だけ大雪がスルー?

気象庁の降雪予測データ

まだ予断を許さない状況は続いているが、前述の通り思いのほか新潟市内の降雪は少なかったもよう。

気象庁が発表している「降雪短時間予報」の最新版を見ても、新潟の山間部から福島、山形にかけては高い降雪量を示す「赤色」でべったり塗られているが、不思議なことに新潟市周辺だけは弱い雪を示す「水色」。

ネットでは「意外に雪は多くなかった」「大したことない」「新潟県民は横殴りの雪は大して積もらない事を知っている」と安堵する声も上がっている。一方で、気になるコメントもある。新潟市を守るよう日本海に浮かんでいる佐渡島が、「寒気を海上で防いでくれている」という声が数多く上がっているのだ。


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■佐渡バリアの根拠は…?

その現象は「佐渡バリア」と呼ばれ、「今回も佐渡バリアが発動し現在新潟市は大雪から守られております」「昔からマジの話」「佐渡バリア強え」と称賛の声すら見られる。

果たして「佐渡バリア」は迷信か、それとも気象学的には十分あり得る理論なのか。数多くのテレビ番組で天気を解説してきた気象予報士・千種ゆり子さんは、「佐渡バリアは気象予報士の間ではとても有名な話で、気象学や地形的な観点から説明できます。新潟市の北西側にある佐渡は、風向きが北西の場合には雪雲をブロックするような役割を果たすのです」と説明。

しかし千種さんはこのような注意点も指摘する。

「風が北西風である限りは佐渡が守ってくれますが、風向きが北に変わるとバリアが効かなくなり雪雲が流れ込んでくるため、油断は禁物です」(千種さん)。


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■心の拠り所に

寒波・雪

時に佐渡島が新潟市を守るという構図はなんともユニークだ。地元の人に話を聞くと、その「恩恵」はかなり浸透しているよう。

新潟市に住む20代女性は、「だいぶ寒波におびえていましたが、スニーカーで歩いてもまったく埋もれない程度の積雪量でホッとしました。佐渡バリアのことは…ちょっと信じてます。山形の海沿いは大雪なのに、なぜか新潟市の海沿いは全く積もっていないんです。今では佐渡島に崇高なイメージすら持ってます」と記者に力説。

同じく市内に住む40代女性は、「昔から『佐渡があるおかげで雪が降らない』と家族に言われてきたので信じてます! 佐渡バリアっていう名前は最近知りましたが…(笑)」と、以前から佐渡島に感謝の念を持っているという。

今回話題を呼んだ「佐渡バリア」。まだまだ雪との戦いは続いていくが、新潟市民にとっては一つの「心の拠り所」になっているようだ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤

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