住宅火災で老夫婦が死亡し息子が涙 「父は動けない母に寄り添い避難を拒んだ」

消防隊も必死に努力したが、救うことはできなかった。

老夫婦・車椅子・介護

火災発生でピンチに陥ったものの、逃げるチャンスは十分にあった男性。しかし動けない妻を置いて行くことができず一緒に死亡していたことを、『New York Post』などアメリカのメディアが伝えている。


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■燃え上がった住宅

アメリカ・ミズーリ州で暮らしていたケネス・ザーさん(84)が妻フィリスさん(84)と結婚したのは、今から63年前のこと。9月には家族に囲まれ、結婚記念日を祝ったばかりだった。

そんな夫妻が暮らす家で、火災が発生。通報したケネスさんに対し通信指令員は「一刻も早く家を出て」とアドバイスしたが、ケネスさんはある事情があって、従うことを拒否してしまった。

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■車椅子が必要だった妻

フィリスさんも火災に気づき逃げようとしたが、普段から使用していた車椅子からずり落ちて移動が不可能に。ケネスさんはフィリスさんを車椅子に座らせようとしたがうまくいかず、夫婦揃っての脱出を断念したのだ。

そうするうちに部屋にも煙が充満し始めたため、ケネスさんはタオルをドアの隙間に突っ込んで時間を稼ぐことに。そのまま2人で消防隊の到着を待った。


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■悲しすぎる結果に…

夫妻が暮らす家に到着した消防隊は、裏側から内部に突入。しかしすでに住宅は炎に包まれた状態で、夫妻が待つ場所にたどり着くことは極めて困難だった。

そのうちに床が焼けて陥落したため、消防隊は前進を断念していったん家の外へ。その後に再び突入し視界が極めて悪いなか救出に向かったが、ようやく発見した夫妻はすでに死亡していた。


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■「悲劇的なラブストーリー」

対応にあたった消防署長は、夫妻の死について「悲劇的なラブストーリーです」とコメント。ケネスさんが脱出を断念した経緯も明かしている。

夫妻の息子であるアンディさんもメディア取材に応じ、「逃げるよう助言されたのに、父は『妻を置き去りにはできない』と話したそうです」「最期まで母と一緒にいてくれました」と涙をこらえながら述べた。

またこのレスキュー活動で高温の住宅内に突入した消防隊員のうち、複数が軽度の火傷を負ったという。火災原因については調査中だというが、地下室の電化製品が原因になった可能性があると伝えられた。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

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