ドンキ、「チューナーレステレビ」大ヒットの裏で 知られざる”苦闘”があった…

ドンキの「チューナーレステレビ」が絶大な人気を誇る。知られざる舞台裏があって…。

2022/09/21 04:15

ドン・キホーテ

NHKも、地上波も、BSも映らない──。「チューナーレステレビ」が大ヒットし、様々な企業が市場に参入している。

その先駆けとなったのが、ドン・キホーテだ。今やすっかり大人気になったが、大ヒットまでには知られざる「苦闘」があったようで…。


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■若い世代にも刺さる

「チューナーレステレビ」は、一般的な地上波用チューナーを内蔵していない代わりにNetflixやYou Tubeなどのネット動画を視聴できる基本ソフト「android TV」を搭載したテレビだ。昨今、若い世代の「テレビ離れ」が囁かれているが、そうした世代の興味もそそったようだ。

大学生になって東京に上京し、現在社会人2年目の男性Aさんも「チューナーレステレビ」の購入を検討しているという。「大学から一人暮らしを始めましたが、テレビは買いませんでした。かれこれ6年以上テレビがない生活をしていますが、暇な時はNetflixでいくらでも時間が潰せるので、特に困ることはありません。ただ、大画面で動画が見られるのは魅力的なので、買おうか迷っています」(Aさん)。

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■大型モデルも発売

今や様々な企業が「チューナーレステレビ市場」に参入しているが、ドンキはその先駆けとなった。昨年12月に24型(2万1,780円)と42型(3万2,780円)を計6,000台販売したところ、約1ヶ月で完売。

チューナーレステレビ

8月19日には、43型(3万8,280円)と50型でいずれも4K対応の「チューナーレススマートテレビ」(4万3,780円)の大型モデルを発売するなど、さらなる「進化」を遂げている。大型の「チューナーレステレビ」はいかにして世に放たれたのだろうか。

ドンキを運営する『パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス』(PPIH)に取材したところ、知られざる裏側が明らかになったのだ。

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■初代は苦戦を強いられた

この画期的商品を開発したのにはどのような経緯があったのだろうか。PPIHに問い合わせると、商品を企画した担当者のライフスタイルから着想を得たという。

「(担当者は)大のTVドラマ好きですが、リアルタイムで番組視聴することがあまりなく、ウェブの見逃し配信サービスを利用していました。そうした生活の中で『もしかしたら同じようなライフスタイルの人が結構いるのではないか?』と考えるようになったのがきっかけです。 『ネット動画が見られる、TVチューナーがない大画面テレビ』が世の中にあっても成立するのではないかという仮説から生まれました」(企画開発担当者)。

今やすっかりブームを担っているが、「苦闘」も経験していて…。「2019年に初代を32型液晶で発売しましたが、技術的な課題からネット動画を視聴するためのandroidOSが登載できず、ファイヤーTVスティック等のデバイスと組み合わせて使う仕様の分かりづらさもあり、残念ながら販売は伸び悩みました。 しかし、当初からの開発目標だった『android機能搭載&大型液晶』で再起を図りたいという強い意志を持って商品開発を進めました。商品企画の発案から約2年半かけて、2代目となる昨年12月に『androidTV機能搭載チューナーレススマートテレビ』の発売に至りました」(前出・企画開発担当者)。


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■幅広い層に人気

チューナーレステレビ

「ありそうでなかったもの」を生み出すのは簡単なことではないのだろう。様々なタイプの「チューナーレステレビ」が発売されているが、特に人気の商品はあるか尋ねると「昨年12月発売の2代目モデルは24型と42型を展開しました。”特に”というほど大きな差は出ていませんが、42型の方が若干多く販売実績がございます 」とのこと。

やはり少しでも大画面で視聴したいという人が多いのだろうか…。客層はどれくらいの年代の人が多いのだろうか。「2代目モデルは20~40代のお客さまに購入いただいております」(前出・企画開発担当者)。幅広い世代から支持されているようだ。

自分の好きな時に、好きなものを見る──。多忙な現代社会にマッチした「チューナーレステレビ」を一家に一台、否、一人一台持つ日が来るかもしれない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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