駅弁からあまりに不条理すぎる謎弁当まで… コロナ患者が驚嘆する「療養メシ」

新型コロナウイルス患者が利用するホテル療養。そこで提供される料理が妙に印象的だった。

ホテル療養

記者に突然襲いかかった新型コロナウイルス。感染者激増の中、奇跡的に都内でホテル療養に入れることになったが(詳細は前編参照)、そこで提供された料理が、少々インパクト溢れるものだったのでレポートしたい。

【写真】療養先で提供される弁当の数々。駅弁まであったりする…


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■機械的な館内放送

発症翌日、記者は家族への感染を防ぐため東京都の「ホテル療養」入所を申請。それから2日後、東京・品川駅前のホテルへの入所が決まった。ここで約1週間、療養生活を送ることになったのだが、その頃には高熱も下がっており、想像以上にホテルでの生活は快適なものだった。

唯一の楽しみは食事だ。それ以外の時間は読書やゲーム、スマホいじりと時間を過ごせるが、やはり食事が自分が生きていると感じられる瞬間だった。

毎日8時、12時、18時になると全館スピーカーに「みなさん、食事の時間です。1階エントランスまで取りにきてください」と、同じ音声が流れる。静まり返っていた各フロアのドアがガチャガチャッと一斉に開き、エントランスに向かうエレベーター前に30、40人の行列ができる。フロアは10階以上あるため、エレベーターが到着しても満杯でほとんど乗れず、非常階段は外部接触を防ぐためか一切使えなかったため、エレベーター前で10数分待つ必要があった。

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■みな無言で…

ホテル療養

満員のエレベーターに乗り、ようやく1Fに下りると、弁当箱とミネラルウォーターが山積みになっていた。100人近い入所者がそこにいるものの、誰も言葉を発さず、弁当と水2本をそそくさとビニール袋に入れると再びエレベーター前に並ぶ。ここも長蛇の列だ。一人一本までと野菜ジュースも置いてあったが、悪びれる様子もなく2~3本鷲掴みにする女性の姿も。…記者は野菜ジュースを手にすることはできなかった。ここは戦場なのだ。

大行列と定員オーバー気味のエレベーター、「3密なんてここでは関係ないなのかな」と呑気に思っていたが、全員感染者のためこれ以上の感染がないというのはなんとも皮肉なことである。

男女比は8:2で男性が多く、中には小学生くらいの男の子と父親の姿もあった。大勢の人に囲まれながらも足音しかしない空間にはすぐ慣れることになるが、当初はだいぶ異様に感じられたものだ。

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■バラエティに富んだ弁当の数々