妊娠5ヶ月の女性が3人の子を残し出血多量で死亡 夫が中絶薬を極秘投与か

妻の4人目の妊娠に、夫がいら立ちを募らせていたという証言も。

2022/07/23 07:30

妊娠・妊婦・つわり

今、80を超える国で、外科的な処置を行わない飲み薬タイプの人工妊娠中絶薬が承認されている。だが日本は未承認で、輸入も禁じている。使用方法を誤り、母体が危険にさらされることを恐れ、慎重を期す必要があるからだ。

インドのある妊婦の身に起きた悲劇の話題を『Times Now News』『PUNJAB NEWS EXPRESS』などが報じ、女性たちの高い関心を集めている。


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■子宮から大出血

このほどインド・ウッタルプラデーシュ州のオーライヤ地区で、ジータ・ヤダヴさんという27歳の妊婦が子宮の強い収縮で大量出血。搬送されたカーンプル地区ナウバスタの病院で死亡した。

ジータさんは妊娠5ヶ月の安定期に入っており、大出血の原因について、経口妊娠中絶薬を服用した可能性が否定できない状況だという。

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■遺体は司法解剖へ

ジータさんは夫のヴィピン・ヤダヴ容疑者と6年ほど前に結婚し、娘2人と息子1人の計3人の子に恵まれた。実家の両親は、警察の聞き取りに「新たな妊娠に夫のヴィピンはいら立っているようだった。彼の両親も関わっていた可能性がある」と指摘した。

両者について厳しい取り調べを行うよう警察に要求したことから、ジーナさんの遺体については司法解剖が行われた。

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■妊娠5ヶ月で中絶薬を…?

司法解剖の後、ジータさんの遺体は警察署内の死体安置所に戻された。現在は検死局からの報告書を待っている状態で、その内容次第ではヴィピン容疑者を過失致死容疑で正式に起訴するとしている。

妊娠5ヶ月で中絶薬を投与されたことが立証された場合、その危険性をヴィピン容疑者がどれほど認識していたかも重要になる。使用は最後の月経開始日から49 日以内の妊娠初期までと制限され、妊娠5ヶ月では厳禁だからだ。


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■日本で未承認な理由

なお、母体保護法を重んじる日本では、いまだ経口中絶薬を承認していない。

100人中5~8人程度の割合で重大な副作用が起こり、外科手術を必要とするという現状を無視できないこと、子宮外妊娠には効果がなく、放置されれば卵管破裂など命を脅かす事態を招くことなどが、理由として挙げられるという。

また、副腎に障害がある人やステロイド薬物での治療を受けている人も禁忌。こうした理由から、禁じられている個人輸入などで経口中絶薬を入手し、服用すれば刑法212条の堕胎罪に問われるという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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