アニサキス、夏だけじゃなかった… 医師が警告する魚の「危険な食べ方」

元AKBの板野友美がなったことでも話題のアニサキス。予防法を聞いてみると…。

2022/07/12 05:15

刺身

蒸し暑くなり、食中毒が気になる季節になった。刺身などの生物を食べる際は注意が必要だ。最近は、サバやアジなどの魚介類に寄生するアニサキスに関するニュースを目にすることが増えた。

医師によると、アニサキスになるリスクを高める「危険な食べ方」があるようで…。


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■アニサキスの症状

5日、宮城県松島町の飲食店で刺身などを食べた70代の女性が腹痛を訴え、胃からアニサキスが見つかったことが報じられた。6月には、元AKBの板野友美もアニサキスによる腹痛に襲われ、You Tubeで報告したことでも話題になった。

医療法人社団南州会理事長、三浦メディカルクリニック院長の井上哲平さんが、アニサキス食中毒の症状を解説する。「生きたままのアニサキスを経口摂取することで発症します。アニサキスが寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍や加熱のものを含む)で食べることで起きる食中毒です。アニサキスが胃壁などに侵入し、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐などの食中毒症状を引き起こします。一般的な細菌性食中毒は発熱や下痢(時に血便)などが見られますが、それらはアニサキスに特徴的な症状とは言えません」(井上さん)。

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■「危険な食べ方」も…

アニサキスは夏場に頻繁にニュースで取り上げられるため、夏に発症すると思われがち。だが、前出の井上さんによると、季節性はないそうだ。

実際、厚生労働省が発表している令和3年のアニサキス食中毒の発生状況(患者数)によると、1月は21人、6月は26人、10月は42人と1年中発症しているのだ。アニサキス食中毒になるリスクを高める「危険な食べ方」もあるようで…。

「内蔵を生で食べてはいけません。アニサキスは魚の内臓に寄生していることが多く、捕獲され死亡した後に筋肉(切り身の部分)へ移動することがわかっています。ですから、アニサキス食中毒を予防するには、魚を購入する際に速やかに内臓処理がされた新鮮な魚を選ぶ必要があります。ただし、最初から筋肉内に生息している場合もあるため、最終的には目視で確認する必要があります」(前出・井上さん)。

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■家で調理する際の注意点

家で魚を調理する際に気を付ける点も聞いてみた。

「60度以上で1分程度は加熱するようにしましょう。冷凍による処理は、マイナス20度で24時間以上冷凍する必要がありますが、家庭用冷凍庫ではマイナス20度までは達しないため注意が必要です。内臓を処理した後に半身などにして冷凍しやすくするとともに、48時間以上の十分な冷凍時間を取るようにしましょう。難しい場合は最初から冷凍解凍品を選ぶことをおすすめします。生食にこだわる場合は、内臓処理がきちんとされている鮮度が高いものを選んでいただくとともに、自身で目視による最終確認が大切です。自身で釣った魚を食べる場合は、生食を避けるか、釣った後に速やかに内臓処理をするように心がけてください」(前出・井上さん)。


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■なってしまった場合は…

万が一、アニサキス食中毒になってしまった場合はどうすればいいのか。

生食後に激しい腹痛が見られた場合は、内視鏡ができる救急病院を受診しましょう。内視鏡下で、胃内のアニサキスを取り除く処置を受ける必要があります。万が一、胃から十二指腸や小腸のほうまでアニサキスが移動してしまった場合は対症療法(痛み止め等)で経過を診ることになりますが、改善が乏しい場合は手術療法も考慮されます」(前出・井上)。

夏場だけでなく、1年を通して生魚を食べる際は注意が必要だ。 

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/医療法人社団南州会理事長、三浦メディカルクリニック院長・井上哲兵さん

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