ユン大統領就任で今後の日韓関係の行方は… 改善を望む岸田首相との思惑

日韓双方とも願っていることは同じだ。しかし、歴史問題が壁に…。

5月、韓国でユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が新たな国家指導者に就任した。ユン大統領の政策ビジョンは前政権と大きく異なる。前政権は歴史問題や安全保障問題で日本や米国との関係を悪化させ、経済的には中国との関係を重視してきた。


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■岸田首相に接近を図るユン大統領

韓国経済にとって中国は最大の貿易相手国であることから、中国との安定的な関係は必須という事情があった。

一方、ユン大統領は日韓の間には根深い歴史問題があるものの、韓国の将来を考えれば日本や米国と仲良くしなければならないというスタンスで、北朝鮮に対しては日米韓が一緒になって厳しく臨む姿勢を見せている。

また、中国との安定的な関係は大事なものの、まずは日米優先という戦略なので、専門家の間では今後中韓関係が悪化するとの見方が強い。

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■NATO首脳会合に初参加

ユン大統領のその姿勢は6月末のNATO首脳会合参加で決定的となった。ユン大統領は前政権で冷え込んだ日本と米国などとの関係改善を実現すべく、主に自由民主主義国家で構成されるNATO首脳会合に韓国大統領として初めて参加した。

ユン大統領はその場で日韓首脳会談を実現させるつもりだったが、それは実現しなかったものの(日米韓による3ヶ国首脳会合は実現した)、岸田文雄首相と数分間立ち話をし、日韓関係を改善させる意欲を岸田首相に示した。

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■日本政府内には慎重論も