盲目の女性が超難関公務員試験に上位ランクイン 「障害抱える人への意識を変えたい」

インドの超難関公務員試験の上位に、視覚に障害を持つ女性がランクインした。

2022/06/11 07:30

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視覚障害を持つ女性が、インドの連合公務員Union Public Service Commission(UPSC)の試験で48位にランクインしたことが、現地メディア『Hindusthan Times』で報道された。


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■努力を惜しまない盲目の女性

インド・デリー北西部にある町のラニケラに在住のアユシさん(29)は、生まれた時から盲目だった。地元の私立小中高校、デリー大学のShyama Prasad Mukherji Collegeを卒業後、Indira Gandhi National Open Universityから歴史の修士号を取得した。

2019年にデリー地方公務員「Delhi Subordinate Services Selection Board(DSSSB)」の試験に合格し、現在はデリー市立の女子校で高校2年生と3年生に歴史を教えている。インドの連合公務員(UPSC)試験には、教師としての職務を同時に行いながら、5回目の試みで合格しを果たした。

「視覚障害の教師として、生徒に教えることに多大な努力をしました」「教えることは情熱であり、それは仕事としてだけではありません」とアユシさんは述べている。

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■周囲からの温かいサポート

試験の結果発表以来、アユシさんの電話には親族や友達からお祝いのメッセージが寄せられ、通知が鳴り止まないという。

母親のアシャ・ラニさん(54)は、上級看護師として2020年まで勤めて、娘の勉強のサポートのために自主退職した。「神は娘の視力を奪われたが、それと同時に道を示してくださった。難しい挑戦にも関わらず、娘は戦い、勝利し、諦めなかったことを誇りに思います」と話している。

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■障害を抱える人たちのために

アユシさんは、今後、中央・州政府行政官「Indian Administrative Service officer(IAS)」となり、デリーの隣州であるハリヤナ州で幹部を目指し、女性と障害者のための教育分野で働くことを計画しているという。

「特に女性の教育に取り組み、障害者に対する人々の意識を変えるよう努めたいです」とも述べた。


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■インドの連合公務員の試験とは?

UPSC試験とは行政官になるためのもので、インド一難しい試験と言われる。試験の範囲にはさまざまな主題と課題が含まれているため、長期にわたり試験の準備をしているインド人が多い。

そのため、試験に上位でランクインすることは、将来的に有望な行政官の道を得るだけでなく、本人や親族にとっても偉大な功績であり、誇りなのだ。

今年の試験結果は、上位3位まで女性がランクインし、今後、女性の活躍に期待の声が上がっている。

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(取材・文/Sirabee 編集部・NaganoYae

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