66歳男性が性行為直後に記憶喪失を経験 中高年に突然起きる「一過性全健忘」

「一過性全健忘」は突然発症し、記憶喪失の状態が1~8時間ほど続くという。

高齢者

性行為の後で頭がボーッとすると訴える人について、稀にはそこに「一過性全健忘」と呼ばれる記憶喪失の状態が含まれているのかもしれないそうだ。

アイルランドの男性が経験した珍しい症状について、『NEW YORK POST』『Mail Online』などの海外メディアが続々と報じている。


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■性行為の10分後に異変が…

このほどアイルランドで、66歳の男性が妻と性行為をした10分ほど後に、記憶がまったく働かなくなり、脳機能障害を疑ってユニバーシティ・ホスピタル・リムリックという病院に運び込まれた。

性行為は夜の就寝前ではなく、午後のことだった。男性はその後、家族と会話を交わすなかで、自分の脳に起きている異変に気づいたという。

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■「2015年にも同じことを経験」

そのとき男性は、自分や家族の名前、住所や年齢などはわかり、昔の記憶にも問題がなかった。しかし午前中の出来事、そして結婚記念日を祝ったはずの前日の様子を全く思い出せなかったため、何度も質問しては妻と娘を不安にさせたという。

脳神経に関する各種検査はすべて正常で、数時間で記憶は戻り、「2015年にも性行為の直後に同じことを経験した」と話した男性は、一過性全健忘(Transient Global Amnesia 以下TGA)と診断された。

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■精密検査は欠かせない

担当した医師は、この男性の症例について医学誌の『アイリッシュ・メディカル・ジャーナル』最新号に報告。記憶が完全に回復すればTGAを疑うが、側頭葉へ血液を供給する動脈の閉塞も否定できず、精密検査は欠かせないとしている。

なお、発症の引き金となるものとしては、激しい運動、冷水あるいは温水を浴びること、精神的なストレスや痛み、大量飲酒、そして性行為などが挙げられるという。


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■女性に多く60代が最多

突然発症し、記憶喪失の状態が1~8時間ほど続く TGA。男女比は1:2で女性に多く、片頭痛持ちの人に多い傾向がある。通常は50歳から70歳までの人に起き、最も多いのは60代。40代以下は稀だ。

この男性のケースでは当日や前日の出来事が思い出せなかったが、家族のことが認識できないという人々も。1週間、1ヶ月、さらに1年前の記憶を思い出せないなど症状はさまざまだ。毎年10万人あたり5人前後がTGAと診断されているという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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