高畑裕太、独占告白「僕にとっての家を守りたい」 芸能界復帰の葛藤と劇団立ち上げの思い

2019年に芸能活動を再開した高畑裕太。現在の仕事への思いを聞くと…。

高畑裕太

2016年に強姦致傷容疑で逮捕され(後に不起訴処分)、表舞台から姿を消した高畑裕太。そんな彼が初めてSirabee編集部の取材に応じた。遺品整理や介護のアルバイトをしていたことを明かした高畑。

長い道のりを経て芸能界に復帰したが、そこにはさまざまな葛藤があったようで…。

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■「復帰するのに引け目が」

高畑裕太

高畑は、19年に東京の下北沢(東京都世田谷区)で上演された舞台『さよなら西湖クン』に出演し、3年ぶりに芸能活動を再開。同舞台は、かつての所属事務所の和田憲明が演出を務め、彼のワークショップに参加する形でオーディションを受け、演技力を評価されたことでステージに立った。

周囲から期待されていたことがうかがえるが、表舞台に戻るのには葛藤があったという。

「不祥事を起こしてから復帰するのに引け目がありました。演技を3年やってなかったブランクもあったので、不安でした。僕が復帰することで『世の中の人たちから何か言われるのではないか』、『自分なんかが表舞台に立っていいのか』と思っていましたね。犯罪者と言われて、そのイメージが自分の中にのしかかっていたんです。それでも、応援してくれた人たちの期待に応えなければいけないというプレッシャーもありました。そういう期待に耐えきれなくなりそうで、ギリギリの精神状態でした…」。

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■以前から演劇に興味が

高畑裕太

そんなプレッシャーを乗り越えて、演劇の仕事ができたのはうれしかったという。

「16年までは、ドラマやバラエティの仕事が中心でしたが、もともと演劇学校出身なので、演劇をやりたいという気持ちがありました。だから、下北沢で舞台に立てたのはうれしかったです。いろいろな経緯があったにせよ、お客さんに喜んだり、感動してもらえて、遺品整理、介護、そして舞台と1つ1つの記憶がしっかり残っていて、そこに物語があることを感じます。だから、こんなふうに対面で自分の話をすると、話したいことがたくさんあるんですよ」。

そう語る高畑の目からは力強さが伝わってくる。

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■「文章にして書くのが好き」

高畑裕太

俳優として再スタートを切るのと同時に、演出家の道にも進み始めている。コロナの影響で中止になったが、昨年8月には高畑が執筆して書き下ろした公演『ジャム』を上演する予定だった。

この公演のために、高畑は自らが主宰する劇団「ハイワイヤ」を結成。企画・作・演出も担当した。昔から自分の劇団を立ち上げたいという夢があったと話す。

「僕は話すと言葉が散らかってしまうのですが、自分の気持ちを文章にして書くのが好きなんです。小学生のときも、給食の時間にみんなの前で自分が作った物語を発表して読み聞かせたこともありましたから。だから、舞台を見るときも『ここはこんな演出にしたらもっとおもしろくなるかも』という目線で見ていたんです」。

復帰作となった舞台『さよなら西湖クン』が終わった後から、本格的に戯曲を書き始めたとのこと。

「自分が書きたいと思ったことをとことん書いてみようと思ったんです。世間に発表したいという気持ちから始めたわけではなかったのですが、2年ぐらいかけて完成すると、自分で書きあげたことにすごく感動しました。すると、『これは演劇の戯曲なのだから、形にしてこそ誰かに感動を与えられる』と思ったんです。そこで、いろいろな人に相談しながら、劇場を抑えて、キャストを集めました」。


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■自分の劇団に対する思い

高畑裕太

高畑の話を聞いていると、挑戦的な姿勢が感じられる。それを指摘すると、これまでの経験が大きかったと答える。

「短い期間で変化が起きても、まずは飛び込んでみることが大切だと感じたんです。海外に旅したときも、行く前は英語も話せないし、海外の文化に対する知見が広いわけでもないので、そんなことできないと思っていました。でも、いざ行ってみたらおもしろかったし、英語も話せました。介護も、最初のころは利用者の方とうまくコミュニケーションが取れなかったり、周りの方がテキパキ働いていたので驚きましたが、3年勤めたらできるようになりました」 。

最後に、今後の目標について聞いた。

「公演中止になってすごく歯がゆい気持ちだったので、自分の団体を立ち上げたからには中途半端に終わらせたくありません。僕が立ち上げたという意味で家のような感覚があるんです。作品は自分の子どもであり、命です。僕は不祥事を起こしてさまよった人間なので、自分にとっての家があることで『子どもを守らないといけない』と思うんです。いつか、これまでの経験や出来事を軸にした物語を作りたいです。俳優としても、応援してくれる人たちがいるので、自分ができる精一杯の演技をして、お客さんに楽しんでもらわないといけません。あれこれ考えず、実直に1つ1つの仕事に向き合っていきたいと思います」。

かつて世間を騒がせたが、その後さまざまな経験を積んでひと回り大きくなった高畑。成長した彼の活躍から目が離せない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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