コロナ感染1年後に失神や失禁 無症状から一転し後遺症に苦しむ30歳男性

コロナの後遺症は、感染当時の重症度や入院の有無に関係なく発症することにも注目が集まっている。

2022/03/23 11:00

落ち込み・絶望・失望

「ロンドン在住のレオさん」とだけ明かされた現在30歳の男性。20代後半の頃はとにかく健康志向で、トライアスロンにも挑戦するほどの運動好きだった。ところが新型コロナウイルスに感染し、人生は一変してしまったという。

イギリスのメディア『Metro』は今、レオさんの症例が決して偶然のものではないと警告している。


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■無症状のまま1年が経過

レオさんは、2020年3月に新型コロナウイルスに感染。いわゆる無症状感染者で、1年間は何の症状も現れず、ウイルスを簡単に打ちのめしたと思い込んでいたそうだ。

ところが2021年の夏、体調に異変が現れた。職場で突然意識が遠のき、デスクで失禁。同じことが11月にも自宅のダイニングで起きた。さらに冬になると、スキー旅行から戻ってきた5日後、夜中にトイレに起きた際にひどい脱力感に襲われ、その場に倒れてしまったという。

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■味覚や嗅覚が消える

医療機関を受診したレオさんは、MRI、脳波、7日間の心臓モニタリング、てんかんほか多数の検査を経て、医師から「自律神経系が影響を受けています。失神は血管迷走神経反射でしょう」と告げられた。

ところがその頃から息切れが始まり、味覚と嗅覚の消失が1ヶ月続き、ひどい倦怠感から1日16時間もの睡眠が必要に。その状態がしばらく続き、「すべての不調がコロナ感染の後遺症によるものだった」と理解できたという。

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■胸には埋込み式心臓モニター

『Metro』の取材に「いつ失神するかわからず、出勤も車の運転もできないため、自宅で仕事をしています」「私と同じように、感染当時は無症状だったのに、しばらくしてから体調に異変が現れたという人は、結構いるのかもしれません」と話したレオさん。

24時間にわたり3年間、心臓の状態を監視するほうがいいと医師が判断したことから、胸には心臓モニターが植え込まれている。


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■多くが苦しむコロナの後遺症

今年2月に、英国国家統計局(ONS)が『英国における新型コロナウイルス感染者の後遺症の有病率(Prevalence of ongoing symptoms following coronavirus (COVID-19) infection in the UK)』を発表していた。

それによると、イギリスでは人口の2.4%にあたる推定150万人が新型コロナウイルスの後遺症で医療機関を受診しており、感染当時の重症度や入院の有無に関係なく発症するため、油断は禁物だ。

その症状は倦怠感、動悸や呼吸困難、胸痛、記憶力や集中力の衰え、睡眠障害、めまい、神経障害性疼痛、関節痛、うつや不安障害など多岐にわたる。また35歳から69歳 の女性、そして貧困層で多い傾向がわかってきたという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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