食糧求め半年で民家40軒に侵入… 人を恐れないクマの捕獲をめぐり議論発生

人間の家を食糧庫だと思っている…? 極端に人なれしたクマの侵入に、住民たちは悩まされている。

2022/02/27 06:00

クマ・熊

アメリカ・カリフォルニア州の民家に、食糧目当てのクマが侵入する事件が相次いでいる。昨年7月から40件以上も報告されており、地域住民の生活を脅かしていると、『ABC News』『News Now』などの海外メディアが報じた。


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■腹が空くと民家に侵入

カリフォルニア州エルドラド郡にあるサウスレイクタホの街ではこの頃、クマによる住宅への侵入被害が相次いでいる。クマは空腹になると民家の窓ガラスを破って侵入し、人間の食料品を漁っては去ることを繰り返しているという。

そしてこれらの被害は、すべて1頭のツキノワグマが引き起こしていた。地域住民は体重が約500ポンド(226キロ)ほどもあるこのクマを、「ハンク・ザ・タンク」と呼称している。

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■人を恐れるどころか…

カリフォルニア野生動物局のスタッフであるピーター・ティラさんによると、ハンクは局員から「極端に人なれした個体」と呼ばれているそうで、人間を恐れている様子がないという。

それどころか人間の住宅を食糧源とみなしているようで、住民であるジョン・ホールデンさんがあるとき帰宅すると、キッチンカウンターの上でケンタッキーフライドチキンのチキンを食べるハンクの姿を目的している。

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■捕獲計画は難航

ハンクの処遇については、州当局が捕獲を行い安楽死させる計画が持ち上がった。しかし保護団体などから猛烈な抗議を受けて、断念している。

州の野生動物局と非営利の野生動物保護グループであるベアリーグは、ハンクをコロラドにあるクマのための保護区に移送するべきだと主張しているが、そのための見通しは立っていない状態だという。


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■扱いに意見分かれる

このニュースについてSNSでは「クマを甘く見すぎじゃないか」「行政はクマを全くコントロールできていない」「もっとひどいことが起きてからでは遅いのに」と、ハンクを捕獲しない当局の対応に厳しい意見が多くある。

一方で、「このクマはただ普通に生きているだけ、傷つけないで!」「コロラドの聖域に送ってあげて」「家に来て好きなだけご飯を食べるといい」と、保護を望む声も多数寄せられているようだ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・びやじま

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