中学中退の青年が両親への感謝を胸に一念発起 年商58億円の大手スーパー経営者に

男性は現在、妻と3人の子供に恵まれ、忙しくも幸せに暮らしている。

2022/02/27 05:45

スーパー・スーパーマーケット・店内

「家もお金も学力も、自分には何もないんです」と言いながら、かつてはどん底の生活を送っていた男性。だが、今や年間約58億円を売り上げるスーパーの経営者だ。ある男性のサクセス・ストーリーを、イギリスの『Daily Mail』などが報じている。


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■中学校中退で家計を支える

男性は、インド出身のナリンダー・シンさん。1980年代の後半、パンジャブ州で起きたシク教徒と政府軍の対立と紛争から逃れるため、家族とともに13歳でニュージーランドに移住した。

父親のアムリックさんは、ナリンダーさんと弟のバルウィンダーさんを「英語が上手になるように」と地元の中学校へ入学させたが、経済的な事情からナリンダーさんは中学校を中退。キウイフルーツの栽培で家計を支えてきた。

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■仕事を掛け持ちし睡眠は車で

少しずつお金が貯まってきたナリンダーさんは、19歳で単身オーストラリアへ。ガソリンスタンドや電子機器工場など複数の職場で働き、節約のため住まいは持たず、車で寝泊まりしていた。

次第に「自分で会社を経営したい」という夢が膨らんでいったナリンダーさんは、2001年にシドニー近郊の街で、ギリシャからの移民男性が所有する廃墟と化した店舗を発見した。

そこを買い取り小さなスーパーマーケットを開くと、1日16時間労働で週7日、すべてをひとりで切り盛りしたそうだ。

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■両親も自宅を売却して援助

疲れ果てたナリンダーさんはある日、店を臨時休業にし、ニュージーランドの実家に戻った。「スーパー経営を頑張っている。いずれは事業を拡大し、大手のスーパーにはできないことに取り組みたい」と話すと、両親はなんと自宅を売却して援助してくれた。

18万ドル(約2,000万円)を手渡し、「これで夢をつかみなさい。頑張って」と投資してくれたのだ。さらに、兄の体調を心配して弟のバルウィンダーさんも事業に参加。『QE・フード・ストア』をオープンさせ、兄弟の二人三脚が始まった。


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■20年で11店舗目に突入

「低価格で良質な食料品を提供し、人々の健康的で質の高いライフスタイルに寄与したい」と考えるナリンダーさんは、さまざまな市場をめぐって良質な生鮮食品の調達を図り、会社のウェブサイトでは調理の動画も配信。店舗にもキッチンスペースを設け、デモンストレーションを行った。

それが消費者のハートをつかみ、評判の良さは口コミとなって拡散。開拓心、地道な努力と向上心が支えた『QE・フード・ストア』は、20年たった今ではオーストラリア国内に11店舗を構え、年商が5,000万ドル(約58億円)を超えるビッグチェーン店だ。

それでもナリンダーさんは慢心しない。毎日午前3時に起床し、新鮮で良質な生鮮食品を求めて自ら市場へ向かうそうだ。


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■両親への感謝を胸に…

『QE・フード・ストア』は、企業理念として「恨みを抱かず他人を尊重。情熱を持って仕事をし、物事には敏感に対応し、学び続ける。常に好奇心を抱き、失敗を恐れず新しいことに挑戦する」と掲げている。

またナリンダーさんは、20年前に資金援助で後押ししてくれた両親への感謝を胸に、「今度は自分が青少年や困った人々を助ける番です」と話す。

孤児の教育支援活動、児童青年期の心の問題に向き合う専門医の育成、紛争地域からの移住希望者への経済支援、災害復興支援ほか、さまざまな慈善活動団体に寄付を続けているそうだ。

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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ

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