「子供に悪い仲間ができたら追跡アプリを」 薬物で娘を亡くした女性が涙の訴え

車にこっそりと仕込んでおいたデバイスが、娘を死なせた犯人の特定に結び付いた。

2022/01/23 17:30

日本でも、大人たちが考えている以上に巷には危険な薬物が氾濫し、その気になれば若者でも簡単に入手できる時代になっている。アメリカのある母親は、わが子にそんな不安を覚えたとき、迷わずある行動に出た。しかしその結果は…。


関連記事:11歳女児に性的暴行を加え殺害した凶悪犯が獄中死 被害者の父親は「行き先は地獄」

■娘が薬物過剰摂取で死亡

アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス在住のウェンディ・ポールセンさん。彼女のひとり娘のダニーさんは、19歳の誕生日の直前である2019年9月1日、危険な薬物の過剰摂取により急死した。

その薬物とは、疼痛緩和の目的で利用されてきた麻薬で、麻薬および向精神薬取締法で管理されている合成オピオイドの「フェンタニル」。近年のアメリカでは、過剰摂取で死亡する人の7割がこの薬の依存症だといわれ、1年あたり7~8万人ほどの死者を出している。

関連記事:かねてから疑惑ありの中学教師が違法薬物取引 逮捕後の人相の悪さも話題に

■わが子を監視することに

このたび『NEW YORK POST』のインタビューに応じたウェンディさんは、ダニーさんとの関わりについて発言し、世間を驚かせた。

それは「わが子の素行や交際する仲間に不安を感じた私は、監視のため携帯電話にGPSアプリの『Life360』をインストールしました。それは見つかって削除されてしまいましたが、車のカーペットの下に隠しておいた『SafeTrack』というデバイスは成功でした」というものだ。

追跡や盗聴のためのさまざまなデバイスが手に入る現代、わが子を犯罪や事件から守りたいと考え、迷わず利用を決意したそうだ。

関連記事:ネットで「殺し屋組織」を見つけた女 元夫の殺害を依頼し実刑判決か

■弟が事件に巻き込まれ…

ウェンディさんがダニーさんの行動範囲などを監視し始めたのは、彼女が18歳のとき。成績優秀でスポーツも万能、建築家か連邦捜査局(FBI)の捜査官になるという夢を持っていたダニーさんだが、高校生だった2017年に飲酒運転で逮捕された。

さらに高校を中退していた悪友とつるむと、大麻の影もちらつくようになったからだった。

じつはウェンディさんは、弟が25歳のときに突然行方不明になり、2年以上を経てむごたらしい遺体が発見されるという悲劇を経験していた。手がかりもなく事件は未解決のままで、家族同士がもっと情報を共有していれば…と、母親とともに悔し涙を流したことが忘れられないという。


関連記事:ネットで元夫殺害を依頼した女 ダミーサイトと気づかず逮捕に

■デバイスがやはり役立った

しかしダニーさんは、監視開始からわずか3ヶ月後に愛車内で急死した。そこで『SafeTrack』が役立つとは皮肉な展開だったが、連絡が不通になってから遺体の発見まではきわめて早かった。

また、得られた情報をもとに、警察はダニーさんにフェンタニルを売っていた密売人を特定。カルヴォンゾ・バーネットという被告が第三級殺人の罪で懲役5年の実刑判決を受け、投獄された。

ウェンディさんは「娘の墓前にそれを報告したとき、少しだけ心が軽くなりました」と語っている。

・合わせて読みたい→11歳女児に性的暴行を加え殺害した凶悪犯が獄中死 被害者の父親は「行き先は地獄」

(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

【Amazonセール情報】ココからチェック!