『世界遺産』25周年特別編 世界に誇る日本の象徴・富士山の四季を4K8Kで撮影

4K・8Kカメラ、ヘリ&ドローンで撮影1年かけて撮影した富士山の四季の絶景を追う。

■8Kカメラで捉えた伏流水の世界

世界遺産

富士山に降る雨や雪は年間24億トンにも及ぶ。富士山はその水を吸収するいわば巨大なろ過装置。大量の水が溶岩の大地にしみこんで伏流水となり、それが麓に湧き出し、周辺に独特の自然環境を作っているのだ。

今回、番組では紅葉まっさかりの名瀑「白糸の滝」を8Kカメラで撮影。ここは川が生む滝ではなく、溶岩の隙間から直接伏流水が吹き出して滝となった。

世界遺産

高さ20m、幅150mの湾曲した絶壁から流れ落ちる数百の滝は古くから絵画にも描かれてきた絶景だ。また富士五湖のひとつで水深が最も深い本栖湖を初めて8Kカメラで水中撮影。

日本有数の透明度を誇る湖の底で、富士山周辺の伏流水が湧き出す大きな穴に到達。吹き出す水のほうが湖よりも水温が低いため、そこだけ揺らめいて見える様子を高精細で記録した貴重な映像が公開される。


関連記事:富士山近くでかなり明るい火球出現 撮影者は「秋から流星群が活発化」

■日本人が信仰の対象とした富士山

世界遺産

噴出した溶岩が巨木を飲み込み一瞬で焼き尽くすと、木の形をしたトンネルが残る。これを溶岩樹型といい、富士山麓の無戸室浅間神社(むつむろせんげんじんじゃ)には全長70mに及ぶ巨大な溶岩樹型「船津胎内樹型」が残る。

日本人はこのトンネルを胎内に見立て、巡ることで再生すると信じ、神社となった。また北口本宮冨士浅間神社は、鳥居の向こうに富士山が来るように作られた神社。富士山そのものがご神体である。

世界遺産

江戸時代からこの神社を出発して富士山に登り祈る「富士講」が盛んになり、最盛期には年間2万人もが、信仰のための富士登山に挑んだという。こうした富士講の人々を迎えたのが「御師の宿坊(おしのしゅくぼう)」。

参拝者の案内や世話をしたりする人を御師といい、御師が宿坊として提供していた住居である。一晩に100人以上が泊まることができる、奥行きのある独特の作りの家が今も残っている。


関連記事:江頭2:50、登録者数250万人目指し富士登山に挑戦 荒天に阻まれるもリベンジ表明

■杏は「御来光を見てみたい」

杏

番組ナレーターを務める杏から、コメントが届いている。

「今回の番組を通じて、富士山は自然と文化、そのふたつが融合した存在だと感じました。富士山をご神体とする古い神社を見ると、大昔から日本人の心の原風景だったことが分かりますし、美しくも厳しい自然もあり、さまざまな味わい方ができる所だと思います。


驚いたのは、富士山麓の本栖湖の水中撮影です。本栖湖は川にはつながっていなくて、富士山の伏流水が湖の底から湧き出しているのが映像で分かります。私は富士山はまだ登ったことがないのですが、一度は登って御来光を見てみたいです」

・合わせて読みたい→まるで芸術作品のような富士山が話題 「この角度で撮影するのはすごい…」

(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト

【Amazonセール情報】ココからチェック!