発達障害の10歳少女がいじめを苦に自殺 「臭くて愚鈍」と教師が残酷発言

母親は「広汎性発達障害だから苦しみを感じていないというのは、誤った認識です」と涙ながらに話している。

2021/11/15 16:00

小学校・小学生・教師・先生・生徒

広汎性発達障害と診断されていたアメリカの小学5年生女の子が、学校でのいじめを苦に、このほど自ら命を絶った。教師からも残酷な言葉が投げかけられていたことを、『Fox13 News』『Atlanta Black Star』ほかが伝えている。


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■広汎性発達障害と診断

6日、ユタ州ソルトレイクシティに暮らしていたイザベラ・ティシュナーちゃん(10)は、学校でのいじめに苦しんだ末に自ら死を選んだ。首吊り遺体を、幼い姉妹が発見するというむごたらしさだった。

イザベラちゃんは幼い頃から周囲と上手に打ち解けることができず、「ちょっと変わった子」と受け止められていた。医師からは、広汎性発達障害による自閉症とディスレクシア(失読症)と診断されていたという。

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■教師にも冷たく扱われ…

イザベラちゃんの母親のブリタニー・ティシュナーさんは今、「通っていたフォックソボロ小学校では、教師も娘に冷たい態度だったのです」と訴えている。

その学校にわずか2%しかいないアフリカン系の児童であることから、イザベラちゃんはNで始まる卑語で呼ばれ、教師は「臭い」とも言い放った。登校してきた他の児童には「おはよう」と声をかけるのに、イザベラちゃんだけ無視されていたという。

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■「もっと頭が良くなりたい」

イザベラちゃんは家族には「頭が良くなりたい。何でも上手にできるようになりたい」「先生やお友達に嫌われたくない」と話し、自身の能力に悩んでいる様子だった。

勉強ができないことについて教師に度々注意され、あるいはバカにされる、その雰囲気が周囲の児童たちに「イザベラのことはいじめても構わない」と思わせた可能性もあるという。

ブリタニーさんはしばしば学校に向かい、その状況について教師たちに相談していたが、何ら改善されないままだった。


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■世間の誤った認識に苦しむ

ブリタニーさんは涙ながらに「いじめの犠牲になるのは娘一人でたくさんです。娘は発達障害だから苦しみを感じていないと多くの人が思っていたようですが、その誤った認識こそが一番つらいものでした」と話している。

学区の教育委員会は、イザベラちゃんの遺族に哀悼の意を表すとともに、この度の問題を重く受け止め、詳しい調査を行うことを約束。人種差別やいじめのない健全な学校づくりに向け、精一杯努力すると述べている。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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