夫の死後1年で2歳の娘もがんに… 「遺伝子変異」に苦悩する女性に支援集まる

多くの人が「親子の力になりたい」と、クラウドファンディングからの寄付を行っている。

2021/09/12 08:00

親子・母・娘

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州に暮らす女性の夫は、1年前にがんのため若くして他界していた。さらに涙がまだ渇かない中、かわいい盛りの2歳の娘までもが、同じ病に冒されていることが判明したという。

あまりにも過酷な運命であり、子育て中の母親たちが胸を痛めているという話題を、『abc.net』『7News』など同国のメディアが報じている。


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■1年前に夫ががんで他界

話題の女性は、ニューサウスウェールズ州ノーザンリバー地域のユーイングスデールに暮らすブルック・ブレザートンさん。彼女は今、何もわからないまま病院のベッドに寝ることになった2歳の娘ピーチーちゃんに、涙をこらえ、必死で笑顔を作っている。

夫のジョエルさんは2006年に脳腫瘍を発症、切除手術は成功したものの再発し、昨年7月に亡くなった。その際、ブルックさんは医師からは「遺伝子変異があるため、お子さんの様子には十分に気をつけて」と言われていた。

ピーチーちゃんが健康な体で成長するよう、それだけを祈っていたブルックさんだが、運命はあまりにも過酷だった。

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■娘の腰に発見されたしこり

ある日ブルックさんは、ピーチーちゃんの背骨の下のほうにしこりがあることに気づき、嫌な予感を覚えながら病院を受診。「前日にしこりは存在しませんでした。でも、ダンスを踊った後に娘は腰の痛みを訴え、歩き方がおかしくなりました」と説明した。

精密検査の結果、仙骨に近い部分の脊椎に腫瘍が発生して坐骨神経に触れており、それがユーイング肉腫というがんであることが確認された。悪性度が高いにもかかわらず、有効な治療法がわかっていないという話だった。

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■間もなく化学療法へ

小児がんの権威がいる小児病院は、自宅からは遠いクイーンズランド州のブリスベーンにある。そこでピーチーちゃんの転院に伴い、ブルックさんはしばらく現地の宿泊施設で過ごすことになった。

化学療法は間もなくスタートし、続いては腫瘍の切除手術が複数回にわけて行われ、長期にわたりリハビリテーションも必要になる。

全身のあらゆる骨や筋肉に生じる肉腫は、悪性腫瘍全体のたった1%。その一種で、5歳から30歳までの発症がほとんどというユーイング肉腫を、わずか2歳で発症したピーチーちゃんについて、主治医はやはり遺伝子変異の説明をしたという。


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■善意の人々から寄付が

呪わしい遺伝子変異のせいで、最愛の夫に続き愛娘までもがんに。大きなショックを受けたブルックさんのために、せめて医療費や滞在費に当ててほしいと、友人がクラウドファンディングの『GoFundMe』にページを開設したところ、日本円にして400万円ほどが集まったという。

肉腫の研究は世界的にかなり遅れていると言われるが、近年では遺伝子変異を解析して有効な薬を探すがんゲノム医療への期待が集まっているという。ピーチーちゃんがつらい治療を乗り越え、健康を取り戻す日がくることを祈らずにはいられない。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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