海外で流行の「ミルククレートチャレンジ」動画 重傷者続出でTikTokが警告

崩れる山とともに仲間が転落し、それを見て爆笑。いつしかそんなパターンが出来上がってしまった。

2021/09/01 11:00

ミルククレート・ケース

海外の若者が中心となって、じつにさまざまな“チャレンジ”が生まれているこの時代、動画投稿を目的に行われることも多く、そこで一獲千金を狙う者も。自分の動画はどうすれば目立ち、アクセスを稼げるのか。誰もがそこにこだわるため、おのずと内容が過激になっていくのも特徴だ。

このほどついに、TikTokの運営者があるチャレンジについて警告文を出した。『PEOPLE』『The Guardian』など英米のメディアが報じている。


関連記事:「IKEAでお泊り会」のいたずら系チャレンジ 複数国の動画投稿で店も我慢の限界か

■ミルククレートとは

アメリカの若者を中心に今、SNSで「ミルククレートチャレンジ(#milkcratechallenge)」なるものが流行していることをご存じだろうか。

ミルククレートとは、硬いプラスチック製のコンテナケースのこと。赤、黄色、緑、青など色鮮やかなミルククレートは、小売店、スーパーマーケット、コンビニ、飲食店ほかどこでも見かけ、家庭でもDIYやカー用品の収納に利用しているという人は多い。

関連記事:ファミマ、Afternoon Tea監修のフラッペ発売 香り高い紅茶が味わえる

■「山の麓」を蹴る悪友たち

そんなコンテナケースを多数用意し、ピラミッドのごとく高く積み上げ、その頂上を渡り歩いたりするのが「ミルククレートチャレンジ」だ。

最初は高さやスピードなどを競い合っていたが、そればかりではあきてきたらしい。そこで始まったのが、仲間が頂上に立っている、あるいは歩いているのに誰かが“麓”を強く蹴り、山をガラガラと崩すという危険な行為だった。

関連記事:線路に落ちたペットボトルを拾おうとした12歳少年 630ボルトのレールに触れ即死

■重傷者が続出

転落し、痛みに絶叫する仲間を見て爆笑。いつの間にかそんなパターンができ上がってしまったミルククレートチャレンジに、全米各地で骨折などを負う者が急増した。

これには、若者に強い影響力を持つ人気ラッパーなどが、「くだらない遊びはやめろ」とSNSを通じて批判。「転落した若者が銃を持っていたら、腹を立てて撃ってるぞ」「今、そんなことで病院の世話になってる場合じゃないだろ」などと注意している。


関連記事:TikTokの失神チャレンジに感化され… 12歳男児が自宅で脳死状態に

■医療機関の対応は冷ややか

多数の動画が投稿されてきたTikTokも、ついにミルククレートチャレンジについての警告文を発表。「見つけ次第、ただちに削除する」としている。

このチャレンジについて、メリーランド州保健局は「現在どの病院も新型コロナ患者の対応で手一杯です。そのような理由で運ばれてきた患者にもベッドがあると期待しないように」。

またニューヨークのマウントサイナイ病院の外科医は「ハシゴから落ちるよりも重傷ですよ」。さらにバージニア州のある外科医は「原因がそのチャレンジだとわかった時点で、手術の順番は最後に回されます」と、警告している。

・合わせて読みたい→「IKEAでお泊り会」のいたずら系チャレンジ 複数国の動画投稿で店も我慢の限界か

(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

【Amazonセール情報】ココからチェック!