日に数回の自慰をしていた51歳男性 直後に激しい頭痛と嘔吐でくも膜下出血に

普段からの高血圧や喫煙、そしてバイアグラやセックスドラッグを利用する性行為も、リスクを上げるという。

2021/07/29 06:40

自慰・マスターベーション

1日に何度も繰り返し自慰にふけっていたという51歳の男性が、その直後にかつて経験したことのない激しい頭痛に見舞われ、さらにいきなり嘔吐した。血圧も高めで、年齢的にも脳血管の病気について無知ではなかった彼は、自らの意思で病院に急いだという。


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■英紙が注目した症例

脳卒中および脳血管疾患の医学雑誌『Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases』に今年1月に掲載された、「自慰中に起きる内頸動脈解離」というレポート。

それを大手メディアの『Metro』が23日に、さらに『Mail Online』が24日に報じ、イギリスの中年男性の間で今、大きな波紋を広げている。

男性は愛知県に暮らす日本人。1日に何回も自慰を繰り返していたが、ある時その直後に激しい後頭部の痛みに見舞われ、嘔吐もあり、まっすぐに歩けなかった。ただ事ではないと察し、ただちに大病院へ向かったそうだ。

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■過呼吸状態から血圧が上昇

男性に下った診断名は「クモ膜下出血」。診察が早かったこともあり、2週間の入院で病院を後にした。原因としては、血圧の急激な上昇が指摘されたという。

この件について、ロンドン大学附属キングス・カレッジ病院 の脳神経外科医であるダニエル・ウォルシュ博士は、「くも膜下出血の3.8~14%が、自慰がきっかけとなって起きたと考えられている」と説明。

自慰や性行為で過呼吸状態になると二酸化炭素の量が低下し、血管が収縮して狭くなる。そこで血圧が急上昇し、出血を招いたと考えられるという。

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■いきみも怖い

また、射精時の“いきみ”は胸の圧を上げる。すると全身から心臓に戻る血液量、心臓から全身に送り出す血液量が減り、血圧も低下する。そこで心臓は大量の血液を送り出そうと必要以上に頑張り、そもそも動脈硬化が進んでいた血管を破裂させることがあるという。

脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称。投薬治療か開頭手術かで入院期間は大きく異なり、生死、後遺症、社会復帰を含め、予後は「いかに早く診察を受けるか」で大きな差を生む。


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■性行為中の発症も

脳卒中は、排便、排尿、咳、重い物を持ったことがきっかけで発症することが最も多く、入浴、外出、仕事、そして睡眠の最中にも起きる。

性行為がきっかけとなる脳出血やくも膜下出血は、イギリスの国民保健サービス(National Health Service)によれば、50歳前後の男性に起きることが多いとのこと。普段からの高血圧、喫煙、バイアグラやセックスドラッグの利用がそのリスクを上げるという。

浮気相手との行為はもちろん、恥ずかしさから嘘をつこうとする例も多いが、少なくとも全体の1%は性行為中の脳卒中だそうだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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