シロクマが客に投げられたボールを飲み腸閉塞で死亡 動物園職員が悲痛な訴え

結果を考えず、面白半分だった若者。動物も大切な命を持って懸命に生きていることを、忘れてはならない。

2021/04/30 10:30

ホッキョクグマ・白くま・動物園
(Nicola Geneletti/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

動物たちの愛らしい表情や行動を間近で見ることができ、老若男女を楽しませてくれる動物園。しかし、心ない客が投げ込んだボールをホッキョクグマが飲み込み、腸を詰まらせて死亡するという事故が発生した。イギリスの『Metro』や『Latin Times』が報じている。


関連記事:ビーガン男性が極端な主張をして大炎上 「肉食は大量虐殺と同じだ」

■餌と勘違いか

ロシア・ウラル連邦管区にあるエカテリンブルク動物園で、長年にわたり客を楽しませてきたホッキョクグマのウムカ。25歳にもなる園の人気者だった。

だが19日、動物園を訪れていた若者が、朝食をとっていたウムカに向かってゴムボールを投げた。餌と勘違いしたウムカはそれを飲み込み、その後、苦しみながら倒れてしまったという。

関連記事:子犬に違法薬物を投与し急性中毒死 虐待動画を投稿した二児の母親を逮捕

■ゴムボールで腸閉塞に

ウムカの異変に気づいた職員は、ただちに獣医師に連絡。しかし懸命な処置のかいもなく、翌日にウムカは息を引き取った。死因は腸閉塞で、剖検の結果、ゴムボールを腸に詰まらせたことがわかった。

動物園に対しては、「ウムカにこの悲劇をもたらした若者は十分反省するべき」「その行為に厳しい罰を」といった声が寄せられているという。

関連記事:無責任なブリーダーが「もうお手上げ」 50頭のハスキー犬を動物保護団体へ

■孤児だったウムカ

ウムカはロシア極東連邦管区のビリングスの田舎で生まれるも、両親たちとはぐれ、野生の犬の群れに襲われたところを地元の人々に救出された。額に残っていた黒い傷は、その時のものだという。

地元の人々は4ヶ月ほど魚、セイウチ、アザラシなどの肉をウムカに与えて世話しており、野生に戻るのは難しいと判断され、1998年に同動物園にやってきた。

16歳のときには、ホッキョクグマの胎仔を雌のヒグマの子宮に移植し、ヒグマが代理母出産するという異種間移植のため、精子を提供したことで有名になった。


関連記事:黒ヒョウと戯れる違法体験アクティビティ 参加者が頭皮を剥がされる大事故に

■怒りと悲しみと…

ウムカを亡くした動物園の職員たちの怒りと悲しみ、そして喪失感は相当なものだという。

「見学者の方々にお願いです。動物たちを、もっと尊重してあげてください。大きくて強い猛獣でさえ、不注意に投げ込まれた“贈り物”から身を守ることはできません」「守ってあげられなくてごめんなさい、ウムカ」との声明を発表した。

ウムカにはアイナという親友でありパートナーがおり、いつも長い時間を一緒に過ごし、大変な仲良しだったという。アイナも職員たちと同様に悲しんでいるに違いない。

・合わせて読みたい→ビーガン男性が極端な主張をして大炎上 「肉食は大量虐殺と同じだ」

(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ

【Amazonセール情報】ココからチェック!