同性婚夫婦が赤ちゃんを養子に迎えるも数日で白紙撤回 家裁側が同性愛嫌悪か

同性婚夫婦に対する偏見がなくならない世の中。しかし彼らが里親となり、養子を迎える権利を法律が認めている国もある。

2021/03/14 19:00

同性婚・同性愛・養子・赤ちゃん
(Alvarog1970/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、ジェンダークィア)の苦悩や試練について語るとき、必ず出てくるのがホモフォビア(同性愛嫌悪)と呼ばれる人々の存在だ。里子に出された赤ちゃんを同性婚夫婦が養子に迎え、子育てするケースが海外で近年増えているが、必ずしも理解者ばかりではないことを『The Sun』『PATRIOT』などが報じている。


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■夢叶い養女を迎える

ブラジルで間もなく、男性同士の同性婚カップルに起きた養子縁組トラブルについて、注目の裁判が始まる。

そのカップルとは、ジュリアーノ・ペイコト・デ・ピナさんとジョナタン・ペレイラ・デ・アラウホさん。結婚生活は長く、養子獲得の希望を申請してから6年も待った昨年9月、ついにアナ・ソフィアちゃんという女の赤ちゃんを養子として迎えた。

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■養子縁組申請が白紙撤回に

アナちゃんは、麻薬中毒で経済的に困窮している夫婦により里子に出されていた。

一方、ジュリアーノさんとジョナタンさんの夫婦は素敵なベビーベッドを購入し、可愛らしい子供部屋を作り、温かい家庭生活を提供しようと努力。そのあたりが評価され、養子縁組の組織もふたりを里親として認めていた。

アナちゃんとの生活にも慣れてきた10月1日、オーロラと改名して正式な養子縁組を行うべく、夫婦は家庭裁判所へ。しかし、そこで全てを白紙に戻され、アナちゃんを手放すよう命じられた。

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■女の子は里親の元へ

アナちゃんがジュリアーノさんやジョナタンさんと一緒に暮らしたのは、わずか12日間。その後は、名付け親でもあったタイス・ヴェイガ・ミランダさんという女性の元に預けられた。

白紙撤回となった理由は「名付け親のタイスさんが適任」というものだったが、そう判断した裁判官がホモフォビア(同性愛嫌悪)として有名だったことを知り、夫婦は偏見による操作だと不服申し立てを行った。

今月15日にその裁判が開かれるが、夫婦は地元メディアの取材に「必ずや取り戻したい。私たちは深く落胆しており、却下されても上訴するつもりです」と語っている。


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■11,000人以上が署名

「世の中は同性婚夫婦に対する屈辱的な偏見に満ちていますが、私たちにも里親となり養子を迎える資格がある。法律が守ってくれると信じています」と語るジュリアーノさんとジョナタンさん。

彼らを支援する知人が「赤ちゃんを返してあげて」と訴えるオンライン請願書を立ち上げ、11,000人以上の署名が集まっている。

だが、アナちゃんを育てているタイスさんも養子縁組手続きを済ませていた。「アナは私の子供です」と主張し、一歩も譲る気配を見せていないという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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