無差別殺傷事件で有罪判決の20代男 「インセル男」と呼ばれた理由は

容疑者の犯行動機は、あまりにも理解し難いものだった。「性的な欲求不満でイライラが募っていたから」だという。

2021/03/07 06:30

欲求不満・男性
(Estradaanton/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

カナダ・トロント市で2018年に起きた、ある無差別殺傷事件。警察に語った動機から、犯人は世間から「インセル男」と呼ばれるようになっていた。このほど男に有罪判決が下ったことが報じられたが、改めてインセルという言葉が話題を呼んでいる。


関連記事:頻発する家政婦トラブル 逮捕の女は食べ物に尿・月経血を混ぜた容疑を否認

■猛スピードで歩道に突っ込む

英国のメディア『SKY NEWS』『The Sun』などが報じたところによれば、その無差別殺傷事件は車が意図的に歩道に突っ込んだもので、歩いていた人々が次々とはねられ、10人が死亡、16人が重軽傷を負っていた。

警察は、車を運転していたアレク・ミナシアンという28歳の男の身柄を拘束。その後、ミナシアンは第一級殺人、殺人未遂などの容疑で起訴された。

関連記事:ミスコン美女の恋人を刺殺した男 「別れるくらいなら」と強い怨恨で報復か

■女性に相手にされず…

ミナシアン容疑者は警察に「性的な欲求不満でイライラが爆発し、無我夢中でやった。100人を殺す気だった」と説明。犯行の動機は、あまりにも身勝手で許しがたいものだった。

ミナシアン容疑者は大学卒業後、ソフトウェア開発の仕事で収入を得ていたが、女性に興味津々であるにもかかわらず、性交の経験がなかった。「自分は自閉症スペクトラムで、人間関係をうまく築けない。女性にも相手にされず、激しい苛立ちを募らせていた」などと話したという。

関連記事:強盗に入った家で92歳女性を2時間も性的暴行 20代無職の男を逮捕

■難航した裁判

犯行の根本には自閉症スペクトラムがあると訴えたミナシアン被告だが、事件の責任を問う裁判においては、弁護人もその診断名を盾に無罪を主張してきた。

専門学校時代の同級生も「手が震えたり頭を自分で叩いたり、奇妙な動きが多かった」「臆病な気質なのか、誰ともスムーズに会話ができなかった」などと証言し、裁判は難航した。

しかし、精神鑑定を担当した医師は「彼は、自身の行動が道徳的に誤っていることを認識していた。法的責任を問うことは可能」と報告。ミナシアン被告についに有罪判決が下った。


関連記事:幼い3児を育てる母親が9歳の甥を惨殺 育児疲れに追い討ちをかけたものとは

■インセルとは…?

このたびの報道で、改めて話題になった「インセル(Incel)」。これはインボランタリー・セリバシー(Involuntary celibacy)の略で、本人が望まないのに禁欲生活が続き、独身でいる状態を示す。

宗教的な理由を伴うケースが多いが、女性に相手にされず、デートすらままならないというケースも。ミナシアン容疑者も自身をインセルだと自覚しており、こうした人々が集うオンラインフォーラム『INCELS.CO』にも参加していた。

フォーラムには「ムラムラしすぎて、とんでもない間違いを起こしそうだ」と訴える者が少なくないといい、2014年にカリフォルニア州サンタバーバラ郡で無差別殺傷事件を起こした若い男は、コミュニティーにとって教祖のような存在だという。

・合わせて読みたい→頻発する家政婦トラブル 逮捕の女は食べ物に尿・月経血を混ぜた容疑を否認

(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

【Amazonセール情報】ココからチェック!