若者に人気の株取引アプリ大損失で自殺者 両親が「どうか気をつけて」と涙の訴え

上級者向けの取引に手を出し、大きな損失を抱えて自殺した男子大学生。両親が「スマホでの安易な取引には危険がいっぱい。皆さんも気を付けて」と、涙で訴えた。

2021/02/13 19:30

スマホ・男性
(Phira Phonruewiangphing/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

アメリカの若者の間では今、株取引アプリが大変な人気を博している。しかしユーザーたちは、投資についてどれほど正しい知識を持ち、リスク管理ができているのだろうか。その危険性について、『NEW YORK POST』『CBS News』など大手メディアが続々と伝えている。


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■「取引手数料なし」で人気に

アメリカで今、カリフォルニア州メンローパークを本拠地とするRobinhood Markets Inc.による株取引アプリ『ロビンフッド』が、週当たりのダウンロード件数が前週の4倍にも跳ね上がるなどして、大変注目されている。

高頻度の取引業者から受け取るリベート、プレミアム会員手数料やその金利収入などを収入源とし、「証券取引手数料なしで売買を」と謳い、全米の話題をさらっているのだ。

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■オプション取引で大損失

楽をして大金を稼ぎたいとして、投資に意欲を燃やす若者がますます増えているアメリカ。しかし強い冒険心が、リスク管理の意識を上回ってしまうことも多いのだろう。

昨年6月には、州立ネブラスカ大学の男子学生アレクサンダー・カーンズさん(20)が、『ロビンフッド』で上級者向けのオプション取引に手を出して失敗し、自殺していた。

オプション取引の「売り(空売り)」は、短期間で株価が大きく動くと損失が無限大に膨らむこともある。

アレクサンダーさんは、日本円で約7,660万円の大損失(証券会社に対する借金)を抱え、数日以内に1,800万円ほどを支払う必要があると知り、パニックに陥って電車に飛び込み自殺したのだった。

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■率直な疑問が綴られた遺書

「収入もない20歳に、なぜ信用取引で1億円ものレバレッジが割り当てられたのか」というアレクサンダーさんの遺書も見つかり、両親はこのほど『ロビンフッド』を正式に提訴した。

メディアの取材に、母親のドロシーさんは「息子はお金に人生を狂わされ、命を奪われた。私は人生の愛を失った」、父親のダンさんは「息子はトレーダーとして経験不足。

その確認もおろそかに、少ない資金で大きな金額の取引を可能にさせていた責任は重い」と語り、怒りをあらわにしている。


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■20代男性は特にお金に注意?

しらべぇ編集部が全国10〜60代の男女1,721名を対象に調査したところ、「お金で人生を狂わされた経験がある」と回答したのは全体の16.7%。割合が突出して高いのは、アレクサンダーさんと同年代の20代男性で24.4%だった。

お金人生

マルチ商法まがいのネットビジネスで失敗する例が後を絶たないが、FX、仮想通貨、信用取引なども、その金融商品の特徴や、カタカナの専門用語が並ぶ投資の勉強をし、リスク管理の力をつけてこそ扱えるもの。個人のシロウト投資家には向かないことを、しっかりと認識したいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2019年5月17日~2019年5月22日 
対象:全国10代~60代の男女1,721名 (有効回答数)

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