若者の新型コロナ重症化例が増加 軽い風邪程度だった米女子大生は回復後に心臓発作

その女性は、周囲に「味覚・嗅覚に異常があるけれど、呼吸器症状は軽い咳程度で熱もない」と話していた。

2020/12/27 05:30

マスク

新型コロナウイルスの感染拡大にまったく歯止めがかからず、欧米諸国では人口の多い都市を中心に、再びのロックダウンを余儀なくされている。

現在の大流行の特徴は”若い”感染者たちの重症化。その後の人生の長きにわたり、観察が必要になる例が後を絶たないという。

米国では、『The Philadelphia Inquirer』『Union Democrat』などが報じた一例が波紋を広げている。


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■「軽く済んだと思っていた」

米国・ペンシルベニア州のフィラデルフィア市の病院で今月2日、新型コロナウイルスに感染し、すっかり回復したと思われていた20歳の女性が、心臓発作のような症状を訴えて倒れた。

普段から健康状態には全く問題がなく、10月下旬に新型コロナの感染が判明した際も、周囲には「軽く済んだ」と話していた。家族も友人も、誰ひとりこのような悲劇的な展開を予想していなかったという。

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■軽い咳と味覚・嗅覚の異常

女性はマディー・ネヴィルさん。新型コロナウイルスには、大学の友人から感染したと考えられた。熱はなく、軽い咳と味覚・嗅覚の喪失に気付いたため検査を受け、陽性が判明したのだった。

その後、マディーさんはすっかり回復し、11月下旬には同州ゴールズボロにある実家へ。家族と共に感謝祭を過ごした。

マディーさんは、じつはその頃から胸の痛み、悪寒や発熱を感じるようになっていたが、それがまさか新型コロナウイルスの後遺症だとは思わなかったという。

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■心臓のポンプ機能が低下

11月30日、マディーさんはひどい息切れと激しい胸の痛みを訴えて地元の病院に入院したが、12月2日に病状が悪化。意識を失い、ヘリ空輸でペンシルベニア大学付属病院へと運ばれた。

目が覚めた時には周りに16人もの医師と看護師がおり、「ただ事ではない何かが自分の身に起きた」と悟ったそうだ。

主治医の説明は、心臓のポンプが健康時の10%しか機能せず、充分な量の血液が全身に送られなくなる『うっ血性心不全』を起こしている、というものだった。


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■「軽い風邪などと考えないで」

欧米では今、こうした若い世代における新型コロナウイルスの重症化や、重い後遺症が問題となっている。

マディーさんは「新型コロナは軽い風邪程度というのは誤りです。心臓や血管にダメージを受けるなど、合併症や後遺症は誰の身に起きるかわかりません。とにかく感染を防ぐことです」と強く訴えている。

体に溜まった水分やナトリウムを利尿薬で体外に排出させ、うっ血はかなり改善されたが、今後も長期的な観察や治療が必要になるというマディーさん。シャワーにも、いまだ母親の介助が必要な状態が続いているそうだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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