新型コロナ治療の抗生物質乱用で… 最悪の「スーパー淋病」患者急増で失明リスクも

軽い風邪であっても、抗生物質を出したがる医療機関は多い。乱用を見直そうと呼びかけられるも、実現はなかなか難しいといわれてきた。その結果…。

2020/12/26 14:30

抗生物質
(Fahroni/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

多くの医療機関で、新型コロナウイルス感染者が訴える様々な症状に対し、次々と抗生物質が投与されてきた。しかしその結果、海外では非常にタチの悪い淋病が流行し始めているそうだ。恐ろしい話題を英国のメディア『The Sun』『Daily Star』などが、続々と報じている。


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■強い咳、喉や胸の痛みに…

熱のほか強い咳、喉や胸の痛みを訴えることが多い新型コロナウイルスの感染者たち。医療機関がそうした患者の症状を抑えるため、ウイルス検査の結果が出る前に抗生物質を処方するのも、無理はないのかもしれない。

だが、薬剤耐性菌に詳しいWHO(世界保健機関)のハナン・バルキー博士は『The Sun』の取材に、世界の新型コロナウイルス患者の7割以上が抗生物質の投与を受けていることに、強い懸念を示している。

その投与が真に必要なのは、米国の調査では4%、英国の調査では1%にも満たなかったというのだ。

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■史上最悪のスーパー淋病

「呼吸器感染症を治療するため、かねてから一般的な抗生物質として使用されてきた、15員環マクロライド系のアジスロマイシン。その薬剤耐性を示すスーパー淋病が、流行り出したのです」と話すバルキー博士。

原因として考えられるのは、新型コロナウイルスの治療にあたる医療現場で、当初かなりその薬が投与されていたこと。個々に対しては「薬が効かない可能性があることを念頭に、性感染症を予防するための努力をこれまで以上に意識してほしい」としている。

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■結膜炎を放置すれば失明も

スーパー淋病は最初にアフリカで流行が確認され、現在はヨーロッパで感染者が急増中だという。

これに感染すると男女を問わず性器の炎症、痛みや異常な分泌物などが現れ、排尿時の痛みや灼熱感を訴える人も。喉や眼の炎症も特徴的で、結膜炎を放置すれば、失明する危険性があるそうだ。

また、ヒト免疫不全ウイルス/HIVの感染率が5倍にはね上がるというから恐ろしい。


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■6年間で6割以上増加

「スーパー淋病の感染者は、2014年と比較して63%も増加した」と説明する米・CDC(疾病予防管理センター)。

ヨーロッパのなかでも著しい増加がみられるのはイギリスで、今のペースでいくと毎年42万人以上の新規感染者が現れ、2030年までに最大で計500万人が感染するのではないかと、指摘している。

このスーパー淋病にも対抗できる新しい抗生物質の開発が急務となっているが、バルキー博士は医療機関に対し、「基本的にウイルスに抗生物質は効きません。新型コロナの治療に安易にそれを用いないようお願いしたい」と呼びかけている。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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