「7歳の娘は不治の病」は嘘で寄付金を集めてから殺害 42歳母親は無罪を主張

静かに死に向かっていた少女と、多額の寄付金を得ていた母親。そこに邪悪な画策があっ たことを警察は見逃さなかった。

2020/12/21 12:00

子供・入院
(thekopmylife/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

2017年、わずか7歳にして天に召された少女。複数の病気を抱えていたと誰もが思っていたが、その死の陰に、母親による驚きの画策があった可能性がでてきた。米国・コロラド州のメディア『9News』や『CBS News/デンバー』などが報じている。


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■自宅での看病の末に…

米国・コロラド州のダグラス郡で2017年8月、オリヴィア・ガントちゃんという7歳の少女が、腸の病状が悪化し、合併症を起こしたとして死亡した。

長いこと自宅で看病が続けられたオリヴィアちゃんの遺体は、死後に行政解剖が行われた。監察医はその結果を「腸に重い障害があった証拠がない。亡くなる少し前から薬も食事も与えられていなかった」などと報告。ダグラス郡保安官事務所は事件の可能性を疑い、動き出した。

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■多額の寄付金を得ていた母親

最初にわかったのは、母親のケリー・ターナー(42)がクラウドファンディングを利用し、日本円にして約5,600万円もの寄付金を得ていたという事実だった。

ケリーはそこで、「生後9ヶ月で健康上の様々な問題が発覚し、オリヴィアは入退院を繰り返し、辛い手術や検査に耐えてきた。12歳の姉もガンと闘っており、姉妹の闘病で大変な医療費がかかる」と訴えていたが、警察は、姉に関する医療記録が存在しないことも突き止めた。

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■医師らも次々と証言

警察はこうしたことから昨年、オリヴィアちゃんが重病であるかのように偽装し、多額の寄付金を集めた後、衰弱死に追い込んだ可能性があるとみて、母親のケリーを殺人、児童虐待、募金詐欺など複数の容疑で起訴した。

起訴状には、医師たちもケリー容疑者を長いこと怪しんでいたとある。「娘に万が一のことが起きても、延命や蘇生を行わないで」と言われたのだ。

また、オリヴィアちゃんの遺体を扱った葬儀場や墓園でも金銭の盗難被害が起きており、そちらに関する窃盗容疑も加わって、裁判は来年5月から始まる予定だ。


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■最後の夢を果たし少女は…

近年、幼い子供への虐待や虐待致死事件について、役所や児童相談所が早くから事情を把握していながら、なす術がなかったというケースが大変増えている。

オリヴィアちゃんの死も同様で、不審に感じながら救うことができなかった医師たちも、無念で仕方がない模様だ。なお、オリヴィアちゃんは亡くなる少し前、末期がんの子供たちの最後の夢を叶えたいとする慈善団体の協力を得て、消防士姿で火に向かって水をかける体験をした。

その様子がデンバーの多くのメディアに取り上げられていただけに、関係者の誰もがこの事件に強いショックを受けているという。

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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ

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