空港のゴミ箱に赤ちゃん置き去り 搭乗済み女性全員を降機させ下半身を検査

母国へ戻る旅客機に乗り込み、ほっとしたところで女性の乗客の多くが降機を強制された。しかも理由についての説明がなかったという。

2020/11/01 17:20

ゴミ箱
(Pina Panpisal/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

このほど中東カタールの国際空港で、生まれて間もない赤ちゃんを誰かがゴミ箱に捨てて去るという事件が起きた。ある旅客機への搭乗を済ませていた女性の乗客らを疑った当局は、そこに乗り込むと彼女たちに降機を命じた。そして…。


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■ゲート付近のゴミ箱に…

カタールの新ドーハ国際空港(ハマド国際空港)で10月2日、ドーハからオーストラリアのシドニーに向かうはずだったカタール航空908便において、大きなトラブルと遅延が発生した。

乗客らが搭乗を済ませた直後のゲート付近の検査で、ビニール袋に包まれた誕生間もない赤ちゃんがゴミ箱から発見されたことが発端だった。

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■救急車に誘導された女性たち

空港の職員、警察らが離陸の準備が進められていた同機に乗り込み、乗客の情報を詳しくチェック。オーストラリア国籍の女性13名を含む、出産可能な年齢にある女性の乗客全員に降機するよう命令した。

駐機場には3台の救急車が集まっており、そこで彼女たちは下着を脱ぐよう告げられた。産後ではないか性器の検査が必要という話だったが、赤ちゃん置き去りという事件については、なんら説明がなかったという。

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■女性たちは泣いて抵抗

泣きながら激しく抵抗した女性に対しても、強行されたその検査。これに強い人権侵害を感じたとして、オーストラリア国籍の女性たちは母国に戻ると当局に相談した。

人権活動家らはこの件について、「犯罪捜査の重要な一環だとしても、突然かつ強制的な性器検査は性的暴行に等しい」と断固抗議し、マリズ・ペイン豪・連邦外務大臣もカタール空港のやり方を強く非難。

このたびカタール空港は「女性の乗客に対し、大変失礼な行為があった」と自分たちの非を認め、正式に謝罪声明を発表した。


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■赤ちゃんの置き去りが増加

カタールで婚前交渉は厳しく罰せられ、婚外の性交渉でできた赤ちゃんが捨てられることは、じつは少なくない。幸いこのたびゴミ箱で発見された赤ちゃんの命は救われたが、両親についてはまだ調査中だ。

カタールのハリド・ビン・ハリーファ・ビン・アブドゥル・アジズ・アール=サーニー首相兼内務大臣も、このたびの出来事を重く受け止めており、なぜ強引にそのような検査が行われたのか、解明に向け調査を実施すると約束している。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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